J1通算500試合出場に向け、笑顔で調整する楢崎(右)。手前は石櫃=トヨタスポーツセンターで(宮崎厚志撮影)
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名古屋グランパスのGK楢崎正剛(36)は次節の磐田戦でJ1通算500試合出場の金字塔を打ち立てる。だが、楢崎にとっては、Jリーグ史上2人目の偉業より、ACL出場権を獲得するための4連勝フィニッシュが目標。「あと3試合勝てばACLに届くし、それにまず全力を尽くします。今の目標はそれやから」とキッパリ。個人記録よりもあくまでチームの順位を優先する姿勢を強調した。
名古屋の絶対守護神が見据えていたものは、目前に迫った大記録よりも来季のアジア制覇だった。甲府MF伊東輝悦に次いで史上2人目。GKとしては初となるJ1通算500試合出場を、楢崎は磐田戦で達成する。ただ、前節の浦和の敗戦により自力でのACL出場権獲得が復活した今、4連勝フィニッシュを至上命令に設定した。
もちろん、プロとして大きな節目となる500試合に「誇りに思う」と特別な意識はある。王手をかけた7日のFC東京戦後には「ここから10日間あるんで、最善の注意を払って生活したい。こういうとこでつまずくのがオレなんで」と冗談めかして話していた。実際、13日には風邪気味になったが、1日で治した。
ただそれも、18年間で499回続けてきた次のリーグ戦への最善の準備を、またひとつ繰り返したにすぎない。「モチベーションのひとつにはなるけど、どの試合も一緒やから。500だからって力を入れるわけじゃない。だからまずは、試合に出る準備をしっかりすること」。気負わず、気を抜かず−。どんな試合でも平常心で臨むための経験は、十分すぎるほど積んできた。
ただ、どれだけ自然体で迎えようと、自身に注目が集まる一戦だということはわかっている。「万全の準備をしますよ。みっともないことにならないように」。まずは500試合目を白星で飾ること。その先に、クラブではいまだ手にしていないアジア制覇への道が開ける。 (宮崎厚志)
◆阿部、右太もも裏肉離れ
DF阿部が右太もも裏に軽度の肉離れを負っていることが15日、明らかになった。11日の練習中に付け根付近を痛め、3日間練習を休んでいた。「次の試合は無理そうですね。数週間と言われているけど、最終戦に間に合わなくはないと思う」と、12月1日の浦和戦での復帰を見据えた。2試合欠場が濃厚で、「これから勝っていかないといけないときに、力になれないのは残念」と、肩を落としていた。
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