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【グラニュース】


楢崎に思わぬアクシデント

2012年11月17日 紙面から

J1通算500試合出場に向け、最終調整した楢崎だったが…=トヨタスポーツセンターで(宮崎厚志撮影)

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 史上2人目のJ1通算500試合出場という大記録を目前にした名古屋グランパスのGK楢崎正剛(36)が16日、思わぬアクシデントに直面した。この日朝、クラブハウスのボイラーが故障。体を温めるために必ず行っている練習前の風呂に入れなかったうえ、練習後も数百メートル離れた施設の風呂を利用する羽目になった。偉業に向け「万全の準備をしたい」と話していた守護神にとっては痛恨の最終調整となったが、チームメートは口々に楢崎にささげる勝利を誓った。

 お湯が出ない−。金字塔となる一戦に向け万全の準備を進めていた名古屋の守護神に、思わぬ障害が立ちふさがった。故障防止のため、練習前に筋肉を温める風呂に入るのは楢崎の日課。しかしこの日朝、いつもなみなみと張られるはずの湯船は半分もお湯がたまってなく、異常ブザーが鳴り響いていたという。「かなり痛かった。練習前の温めができなかった」と楢崎は残念そうに振り返った。

 練習後にもボイラーの故障は直らず、若手らは水のシャワーで汗を流し、玉田や藤本ら主力はサウナと水風呂を併用した。ただ、楢崎は冷え込みが厳しくなった13日に風邪気味となっていただけに、「また風邪をひくわけにはいかない」とサウナを回避。汗で冷えた体をお湯で温めるために、数百メートル離れた別の施設の風呂へと歩いて向かわざるをえなかった。

 大事な一戦の前日というのは皮肉なタイミングだったが、根本原因はクラブハウスの老朽化にある。ここ数年は年に1回ほどの頻度でボイラーが故障。また、大雨の日には選手ロッカーや医療ルームなど重要な部屋を含めた30カ所以上で雨漏りが起こる。築17年という年月を考えればそもそもの施工の質に疑問が残るが、ともかくクラブは所有者であるトヨタ自動車本社に対し、数年前から大規模な増改築の要望を訴え中。久米GMは「現場を預かる長としては選手には申し訳ないのひと言。とにかくまずクラブ経営を黒字化しないことには、許可が下りない」と苦渋の表情で話した。

 それでも右太もも裏肉離れで離脱したDF阿部以外、チームは無事に9日間の調整を終え、記念試合への準備は整った。偉業を勝利で飾るため、そして来季こそお湯の出るクラブハウスを整備するため、磐田を撃破し、アジア制覇への道筋を開く。 (宮崎厚志)

◆ピクシージョーク「楢崎出ないヨ」

 ストイコビッチ監督が、得意のジョークで報道陣を慌てさせた。前日会見で楢崎の500試合出場について問われると「明日彼はプレーさせません。つまり499で止まりです」とニヤリ。すぐに取り消し「本当に素晴らしい偉業だ。他の選手たちに求めるのはやはり勝つことが一番。お祝いだし、いい思い出になるだろう」と、主将のためにフィールドプレーヤー10人の奮起を促した。

◆選手一丸で記念星

 選手たちは楢崎のJ1通算500試合を勝利で飾ろうと口をそろえた。DF増川は「いろいろ助けられてきたし、その分僕らも助けなきゃいけない」と完封を誓い、清水時代に伊東輝悦(現甲府)の500試合を経験しているMF藤本も「チームの顔なんで、そこはもう、勝って祝わないと。大記録を間近で2人も祝えるのはうれしい」と気合を入れた。楢崎本人は「みんなが華を添えようとがんばってくれれば」と冗談めかして話していたが、チームの盛り上がりぶりは望み通りだ。

 

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