原発2基停止、韓電の追加負担は1日6億円

 部品の品質保証書の偽造問題で霊光原子力発電所5、6号機が稼働を停止したことに伴い、韓国電力公社(韓電)が1日当たり60億―90億ウォン(約4億4600万―6億6900万円)の電力購入費を追加で負担していることが分かった。年末まで2基の稼働停止状態が続けば、深刻な電力不足はもちろん、4000億ウォン(約297億円)以上の電力購入費が追加で発生するという国民的な損失につながる状況だ。

 本紙が16日に、霊光原発5、6号機の稼働停止(5日)前後の発電源別電力購入単価と発電量などを分析したところ、霊光原発5、6号機の稼働停止後、韓電が購入する電力の単価が8%以上上昇したことが分かった。稼働停止前の2日(金曜日)の電力購入単価は、1キロワット時当たり131.75ウォン(約9.8円)だったが、稼働停止後の最初の金曜日に当たる9日は、単価が142.29ウォン(約10.6円)に上がっていた。

 単価が上がった理由は、安価な原子力発電の割合が低下し、最も高価なLNG(液化天然ガス)発電の割合が高まったからだ。韓電が各発電所から電力を購入する際には、最も高いLNG発電の価格を基準に、原発と火力発電に調整係数を反映して価格を定めているため、原発稼働停止後の9日の電力単価は2日に比べ高くなった。

 全体の電力供給量に占める原子力発電の割合は、2日の28.1%から9日には26.0%に低下した。一方、LNG発電の割合は同じ期間に24.3%から25.5%に上昇した。9日現在のLNG発電の単価は1キロワット時当たり137.79ウォン(約10.2円)で、原子力発電(26.46ウォン=約2.0円)の5倍を超えている。

 高価なLNG電力の使用割合が高まり、電力単価が上がったことで、韓電の1日当たりの電力購入価格は2日の936億7000万円(約70億円)から、9日には1001億4000万ウォン(約74億円)へと跳ね上がった。韓電側は「霊光5、6号機の稼働停止以降、1日平均79億ウォン(約5億8700万円)ほどの追加負担が発生している」と説明している。この状態が年末まで続けば、追加負担額は4000億ウォンを超えることになる。

 霊光原発5、6号機が稼働を停止したのは、原発に部品を納品している業者やブローカーが、1件当たり約300万ウォン(約22万3000円)の品質保証書の費用を着服しようとして品質保証書を偽造していたことが発覚したからだ。現在までに着服した金額は総額2億ウォン(約1500万円)に上ると推算されるが、この2億ウォンのために、1日当たりその数十倍の金額を国家レベルで負担することになったわけだ。電力の専門家は「先ごろ制御棒の案内管に亀裂が見つかった霊光原発3号機まで整備が遅れれば、今冬の電力需給はいっそう悪化し、電力購入単価もさらに上昇するだろう」と口をそろえている。

金徳翰(キム・ドクハン)記者
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