搭乗待ちの乗客らで混雑する大阪（伊丹）空港＝２０１２年１１月１７日午前７時５５分、新宮達撮影
日航によると、私服姿の男性が警察手帳を示し、保安検査を受けて通過した。男性は航空券を持っておらず、行方が分からなくなったため、日航は不審者の可能性があるとして運航を停止。始発の羽田便（同７時５分発）などの乗客をいったん降ろし、周囲を検査した。その後、男性は大阪府警の警察官と確認され、同９時ごろに運航を再開した。
日航や新関西国際空港会社によると、捜査のために警察官が空港内に立ち入る際は通常、航空会社側に事前連絡があるが、今回はなかったという。
このトラブルのため同空港ターミナルは、搭乗手続きを待つ大勢の家族連れやビジネスマンらでごった返し、約２時間にわたって混乱が続いた。
午前７時１５分ごろ、拡声機を持った職員が「不審者が侵入した可能性があるため保安検査を中断しています」と説明すると、乗務員に運航の見通しや返金方法を問い合わせたり、警察官に不審者の状況を尋ねたりする乗客が相次いだ。ある女性客は「状況が分からなくてとても不安」と話し、出発状況を伝えるボードを心配そうに見つめていた。【茶谷亮、新宮達】