福島健康調査:秘密会で重要方針 情報公開、議事録で確認

毎日新聞 2012年11月14日 02時30分

 東京電力福島第1原発事故を受け福島県が実施している県民健康管理調査の検討委員会を巡り、秘密裏に準備会(秘密会)が開かれていた問題で、県は毎日新聞の情報公開請求に応じて準備会の「議事録」を開示した。準備会について県は、10月の内部調査で「資料の事前説明の場」と位置付けているが、議事録からは、重要な方針や検討委での議論の範囲まで決めている実態が改めて確認された。

 県は9月の毎日新聞の取材に「準備会の議事録は作成していない」と説明していた。しかし、10月に県条例に基づき「議事録一切」の情報公開を請求したところ開示された。県は「メモ的に作成したもので、出席者の発言内容を確認して作る議事録として作成したものではない」と説明。第2回(11年6月12日)と第8回(12年9月11日)の議事録は「不存在」としている。

 開示された議事録によると、初めて報道陣に全面公開された第3回検討委(11年7月24日)の準備会(同17日)は、検討委より約1時間半長い約3時間半に及んでいた。甲状腺検査の対象年齢について、座長の山下俊一・県立医大副学長が「(この日の)打ち合わせで決める」と発言し、委員の意見を聞いた後、「委員会の提言としては18歳以下とする」との方針を示した。

 他の委員から異論は出ず、「本番」の検討委では別の県立医大教授が「18歳以下を対象にする」と説明。同年10月から実施された。

 また、第5回準備会(12年1月25日)では、住民の外部被ばく線量の推計調査を巡り議論。11年度中に、健康診査の対象とする一定の基準値を設ける予定だったが、一部委員から「線引きが難しい」などと異論が出ると、山下氏が「理論武装した方が良い。今回は議論しない。結論は年度を越えてとなる」と先送りする考えを示した。

 同日の検討委では基準値について誰も言及せず、現在も基準値は決まっていない。【日野行介】

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