足のしびれ・冷え
腰の痛みと同時に発生しやすいのが、
足のしびれや痛みといった症状です。よく発生します。
足のしびれや冷えは腰からくると言われていますが、
実際には腰から直接きているものは少なくて、
お尻の筋肉に原因があるのがほとんどです。
お尻の筋肉がその下にある血管・神経にダメージを与えてしまい、
それがしびれや冷えの原因になってしまいます。
お尻には何種類もの筋肉が存在するのですが、
その中でも交通事故のダメージと関連性があるのが
「梨状筋(りじょうきん)」と呼ばれる筋肉です。
しびれや冷えが出ている患者さんは、この筋肉が硬くなっています。
この怪我の名前を「梨状筋症候群」と呼びます。
ヘルニアよりも、もっと多い怪我です。
膝の裏をシャワーで温めてください
梨状筋症候群は足のしびれにすごく関係のある怪我です。ヘルニアと診断された方で、ぜんぜん症状が改善されない場合、
梨状筋症候群になっている場合が多いので、この部分を治療します。
このときにダメージを受けている神経は、
坐骨神経(ざこつしんけい)と呼ばれているものです。
もしかしたら坐骨神経痛という言葉を聴いたことがあるかもしれません。
坐骨神経はお尻の中心から出てきて、
足の先までニョキッと伸びていく太い神経です。
びっくりするくらいゴボウにそっくりな、非常に太い神経です。
この神経に沿っている部分は、腰の痛みや足のしびれ・冷えに関係したつぼがあり、
刺激してあげることで症状がかなり改善されやすくなります。
特に膝の裏を刺激してあげると、すごくいいですね。
最強のつぼがといっても過言ではない腰用のつぼが膝の裏についていますので、
シャワーで刺激してあげると、冷えも同時に改善されやすくなります。
温度は気持ちいい程度で構いませんので、
シャワーの水流を最強にして、左右それぞれ1分くらいやってください。
症状のきついほうは、もう少し長い時間当ててあげるとさらにいいですね。
この部分は自分も治療でよく使うところなのですが、
ご本人ではマッサージはしないほうがいいと思います。
神経だけでなく筋肉・リンパ・血管などさまざまな組織があり、
強い刺激を与えすぎると腰の痛みが悪化する可能性がありますので、
注意してくださいね。マッサージするなら、かなり弱めのほうがいいです。
その点、シャワーの刺激でしたら強すぎることはありませんので、
お風呂でバーっと当ててもらえたらと思います。
便秘・下痢、婦人科系疾患、不眠と関連性がある
足には腸のつぼ、婦人科系のつぼ、睡眠のつぼが存在します。足の冷えが原因となって、これらのつぼに刺激が加わり、
それぞれの症状が自然に発生してしまうことがあります。
すねの内側には腸のつぼがたくさんついていますので、
この部分が冷えてしまうと便秘や下痢の原因になります。
内くるぶしのすぐ近くには婦人科系のつぼがありますので、
生理痛がひどくなったりその他さまざまな症状につながります。
足の甲には睡眠に関連したつぼがついていますので、
冷えがやってくると、不眠の原因になってしまいます。
首にも同様のつぼがついているので、不眠の方は両方反応が出ています。
交通事故の症状とは直接関係なさそうなものであっても、
だんだんダメージが広がっていって、間接的に症状が広がり、
上記のような症状が出てきてしまうんですね。しかも、原因不明な感じで。
実際のところ、こうした症状で悩まれる患者さんも多いですし、
事故の後、何か調子が悪いなと思われる患者さんも多いですから、
こうした部分も筋肉や関節・神経の治療を通じて行うようにしています。