首の痛み(むち打ち症)

交通事故で発生する症状の中で、最も多いのが首の痛み・むち打ちです。

当院にいらっしゃる交通事故患者さんのおよそ8割の方が、
首や肩の部分に痛みやだるさ、違和感を覚えて通院されます。

むち打ちは正式名称ではなくて、
医学的には「頚部ねんざ」「頚椎ねんざ」と呼ばれます。
病院などで診断書を書いてもらったときに、このように書いてあればむち打ちです。
※ねんざという字は、「捻挫」と書かれています。

首のねんざだからたいしたことない、首のねんざだからむち打ちじゃないと
勘違いされてしまうことも多いのですが、これは大きな間違いです。

実際にはむち打ちですから、患者さんの想像よりも
もっと上のダメージが加えられていることが多いです。
このあたりは注意してもらったほうがいいかもしれません。

寝違えのように、ただ単に首をひねったものよりも、
むち打ちによってはるかに大きなダメージが加えられています。


むち打ちの症状

むち打ちの症状には、次のようなものがあります。

・首の痛み
・肩の痛み
・肩こり
・頭痛
・めまい
・吐き気
・食欲不振
・目の痛み、だるさ


これらの症状は、首を強くひねられてしまったことによって起こるもので、
首を支えている筋肉や関節、カラダの内側にある神経や血管に
ダメージが加わると引き起こされてしまいます。

首の痛みや肩の痛み、肩こりなどは想像がつくかもしれませんが、
頭痛やめまい、吐き気といったあまり関係のなさそうなものまで
原因となっている場合もよくあります。

むち打ちのタイプ

むち打ちには、実はさまざまな種類のものがあります。
上記の症状もその種類によってしっかりと区別されていて、
治療箇所や治療法方もそれによってわけていく必要があります。

◆頚椎捻挫型
首の筋肉や関節にダメージが加わってしまうタイプ。
【症状】肩・首の痛み、肩こり、疲労感など

◆自律神経障害型
カラダを調節する自律神経にダメージが加わってしまうタイプ。
【症状】肩こり、頭痛、めまい、吐き気、歯の痛み、目の疲れなど

◆神経根損傷型
神経の根元にあたる部分にダメージが加わってしまうタイプ。
【症状】腕に強い痛み・しびれ、首の横・鎖骨の下を押したときに強い痛み

◆脊髄損傷型
神経の大元である脊髄にダメージが加わってしまうタイプ・
【症状】手足の麻痺、その他内臓への影響


他の機関で治療中の方もご覧頂いているかもしれませんが、
むち打ちは、タイプ別に治療を変えなければ治りません。


たとえば、筋肉にダメージの入っている頚椎捻挫型の方に、
筋肉に強烈な刺激を加えるようなあまり気持ちよくない治療を行うと、
筋肉がどんどん硬くなって、最悪の場合症状が悪化するケースもあります。

自律神経系にダメージが入っているであろう患者さんに、
動きのあるような治療を行ってしまうと、めまいが悪化したり、
その他の症状が進行してしまうこともあったりします。

それぞれのタイプのあった治療をそれぞれの患者さんに行う、
これがむち打ち治療の中で最も重要なことです。


もちろん自分はそれぞれの患者さんに対して、
オーダーメードのような形で治療を組み立てていますので、
タイプ別に間違っているような治療を受けてもらうことはありません。

この点は、ご安心いただければと思います。

衝突された方向によってダメージが変化する

衝突された方向によって、ダメージは大きく変化します。

最初のの問診の際、必ずどちらの方向からぶつかられたか
患者さんに聞くようにしているのですが、方向によって
ダメージの出ている場所が違っています。

たとえば後ろから衝突されてしまった方は、
首の根元全体が強い肩こりのようになってしまいます。

横から衝突されてしまった方は、
最初の段階では左右どちらかの首が痛むのですが、
あとからもう一方の首にも痛みが出てくる傾向にあります。

真後ろから衝突された場合には、首全体に100ずつダメージが加わりますが、
横から衝突された場合には、片方の首にまず150のダメージが入って、
そのダメージがあとからもう片方に広がる形になっています。


100のダメージが全体にある場合には全体的な治療が必要で、
片方に原因がある場合には、そちらを集中して治療する必要があります。


このように、衝突された方向だけでも治療内容は変化します。
同じようなダメージの患者さんなのに、まったく違う治療を行う、
こういったことは自分の接骨院ではよく行っています。

真逆の治療を行ってもなかなか改善されません。
細かい部分ですがこのあたりは要注意ですね。

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