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beロゴ2009年11月21日付紙面から
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ゲームで人がつながる喜びを提案できた

――ゲームの愛称をそのまま会社名にした訳は?

「ポケモン以外はやっていません」という明確な意思表明です。業務内容を考えると、「キャラクタービジネスなんちゃら」など、抽象的な名前にすれば、それらしい響きになるのかもしれませんが、より親しみをもってもらえる名前だと思っています。でも、珍しがられますね。

――今年9月に発売されたニンテンドーDS版「ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー」は、発売から2日間で140万本以上を売り上げました。

気になる新製品は自宅用、プレゼント用として自腹で買う=東京・浜松町、高橋洋撮影

99年にシリーズ第2作の「金・銀」としてゲームボーイ・ゲームボーイカラー用に発売したソフトをアレンジして、10年ぶりに発売しました。子どものころにプレーしたユーザーが大人になって再び遊び、懐かしく感じてくれているようです。

しかし、上下二分割の画面、タッチ操作などDSならではのシステムやゲームソフトと連動できる歩数計「ポケウォーカー」をパッケージに組み込むなど、より楽しんでもらう新しい要素も採り入れています。

――最初のポケモンが発売された96年は、携帯ゲーム機市場の低迷期でした。ポケモンの存在抜きに、いまの携帯ゲーム機の隆盛はあり得なかったのではないでしょうか。

ポケモンだけが市場を支えたとは思っていませんが、常にハードの進化に歩調を合わせてヒット作を生み出してきたのは確かです。携帯ゲーム機ならではの機能を生かすことで、ゲームを介して人とつながる喜びという新しい発想をポケモンを通じて提案できました。

――そのゲームを通じて子どもたちのコミュニケーションを取り戻すことができました。

誰かと交換しなければ、進化できないポケモンが存在します。1人で遊んでもストーリーの進行上は問題ありませんが、誰かとつながった方がより楽しめるようになっています。友だち同士の交流ももちろんですが、13年前の最初のソフトを楽しんだユーザーが親になり、子どもとポケモンを介してコミュニケーションを図っているという話もよく聞きます。笑い話になりますが、実をいうと、1人で2本のソフトを買って自力で交換している大人のユーザーも少なからずいるそうです。

――世代を超えて愛されているポケモンですが、97年末にはテレビアニメを見た一部の視聴者が体調不良を訴えるというショッキングな事故もありました。

体調を崩された方々には申し訳なく思っています。自分たちが扱っているものの影響力を痛感しました。「兵器にもなりえるのでは」と極論を唱えるジャーナリストもいたくらいです。この出来事をきっかけに、翌年にテレビアニメにガイドラインが制定されました。私たちも以後、商品に対するチェックや管理体制をさらに厳重にしました。

その一方で、「ピカチュウは悪くない」と多くの投書をいただきました。翌年4月にアニメを再開できたのも、私たちの力よりもポケモンを好きな人たちが世論を動かしたおかげだと思っています。本当に大きな教訓を与えてくれた出来事でした。

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