先物取引詐欺:投資会社の口座残金200万円のみ 移転か

毎日新聞 2012年11月16日 03時00分

 海外先物取引の投資詐欺事件で、投資コンサルタント会社「ワールドゲートカンパニー」(本社・福岡市博多区、破産手続き中)が顧客に入金させていた銀行口座の残金が約200万円しかないことが関係者への取材で分かった。福岡、宮城両県警は、同社が約2年半の間に顧客から約42億円を集めたとみており、顧客による返金請求訴訟で敗訴が続いた同社が、口座の差し押さえを恐れて現金を別に移した可能性も浮上している。

 一方、詐欺容疑で逮捕された同社元社長、前田博秀容疑者(54)の個人関連口座には約1億3000万円が残されていることも判明。両県警は入金口座との関連を調べている。

 両県警は11年1月、顧客にうその説明をしたとして特定商取引法違反(不実の告知)容疑で同社を家宅捜索し、同時に同社名義や関連口座を一斉凍結していた。関係者によると、同社は都市銀行と地方銀行の2口座を入金先に指定していたが、都市銀行口座は約200万円が残るだけで、地方銀行は残金がなかったという。

 捜査関係者によると、同社は08年6月〜11年1月ごろの間に高齢者ら約850人から約42億円を集め、実際に運用されたのは一部で、ほとんどは手数料として同社が得ていたとみられるという。家宅捜索時の社員数は約70人で、両県警は同社の収益が主に運営経費や社員給与にあてられたとみて、使途の全容解明を進めている。

 同社は09年ごろから、顧客に返金を求められる民事裁判を相次いで起こされ、敗訴が続いた。判決通りに払わない場合は、顧客側が同社の土地や建物、口座などの財産を差し押さえることが可能になる。11年3月には前田容疑者の自宅も仮差し押さえされているという。

 ただ、顧客側が口座の名義や番号が分からなければ差し押さえできないため、外部に公表されていない口座などに現金が移された可能性があるという。【山本太一】

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