【ツーソン(米アリゾナ州)】米西部アリゾナ州ツーソンで昨年1月に6人が死亡しガブリエル・ギフォーズ前下院議員が重傷を負った乱射事件で、同州連邦地裁のバーンズ判事は8日、ジャレッド・ロフナー被告(24)に対し7つの終身刑に加え140年の刑を言い渡した。同判事は「被告は一生収監される」と述べた。
ロフナー被告は、8月に検察との間で死刑を免れる代わりに罪を認める司法取引を成立させており、判決言い渡しは形式的なものだった。だが、この日の法定では、リハビリを経て退院したギフォーズ氏が夫で元宇宙飛行士のマーク・ケリー氏とともに証人として出廷し、事件以後初めて被告と対面した。
会話が困難なギフォーズ氏に代わってケリー氏は証人席から、ギフォーズ氏は今も話すことや歩くことに困難があり、右腕がまひしていることを指摘した上で、被告に向かって「妻の頭を撃ったかもしれないが、彼女の気持ちをくじくことはできなかった」と述べた。
ケリー氏はまた、政治家が銃規制を前進させないことを批判し、各地で銃乱射事件が起きているのに「何も手を打とうとしていない」不満を述べた。ロフナー被告は、「言いたいことはあるか」との判事の質問に答えなかった。
ホールダー司法長官は「この日の判決により、被告は二度と米国社会に危害を与えることはなくなる」との声明を出した。