宮城のニュース

名取・小塚原南地区 住民、復興の遅れに危機感

名取市の区画整理、集団移転の事業地区の間に位置する小塚原南地区

 東日本大震災の津波の災禍に見舞われた宮城県名取市小塚原南地区の住民が、区画整理と集団移転の事業から外れ、置き去りにされている。流失もしくは解体した住宅は6割に上るにもかかわらず、今後の津波対策について市から具体的な説明や意向調査などのサポートはない。地区の一部は災害危険区域になる予定だが、宅地の買い取りの説明もなく、住民は不安を募らせる。
 小塚原南地区は海岸線から1〜3キロの田園地帯。閖上地区市街地の区画整理事業地と、下増田の集団移転の対象地区(災害危険区域)の間に位置する。震災では2メートル前後の津波に襲われ、16人が犠牲となった。全68世帯が全壊扱いで、40世帯が流失または解体された。
 市内の津波対策は1次防御ラインを国が担当、2次は市が受け持ち、堤防や道路を整備する計画。2次ラインの位置が確定すれば、東側を全て災害危険区域に指定する方針だ。
 小塚原南地区は2次防御ラインにまたがり、ほとんどの住居はラインの西側になるが、東側にもわずかに住居が存在する。市内の仮設住宅で暮らす無職遠藤幸二さん(74)の自宅はラインの300メートルほど東にあった。
 津波で1階が浸水した家を遠藤さんは修理して戻ろうと考えていたが、ことし3月、災害危険区域になると市から説明された。その後土地の買い上げや移転先の具体的な説明はないという。「閖上の区画整理や下増田の集団移転の案内も届かなかった。本当に移転できるのか」と遠藤さんは不安を口にする。
 2次防御ライン西側の住民も不安を募らせる。市震災復興部によると、西側は二つの堤防によって今回と同規模の大津波でも一部地区の0〜1メートルの浸水にとどまる。しかし、市は地区説明会で、津波浸水域のシミュレーション結果に触れないなど防災面について十分な説明をしなかった。
 遠藤直町内会長は「自宅を失ったりローンを抱えたり、今後に不安を抱いている住民もいる。集団移転や区画整理の地区と同じような意向調査をしてほしい」と、きめ細かな対応を市に求める。
 市震災復興部は小塚原南地区で災害危険区域になるエリアについては「戸数がわずかなこともあって対応が遅れている」と説明。2次防御ラインの西側の地区については「宅地かさ上げ補助の独自支援をしている。集団移転などの事業地区と同じようなサポートは難しい」と話す。


2012年11月16日金曜日


Ads by Google

△先頭に戻る

新着情報
»一覧
特集
»一覧
  • 47NEWS