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「宮古・田老」見つめる 関東から修学旅行相次ぐ

修学旅行で被災地を訪れ、防潮堤の上から被災状況を見学する中学生=10月3日、宮古市田老地区

 東日本大震災の被災地の現状を学ぼうと、関東地方の中学校が今秋、修学旅行で岩手県宮古市田老地区を相次いで訪れている。
 一般的な行程は、「万里の長城」に例えられる巨大防潮堤、津波被害の爪痕が残る観光ホテル、約370世帯の仮設住宅と仮設商店街がある市保養施設「グリーンピア三陸みやこ」などを見学する。
 宮古観光協会によると、田老地区へのツアーはこれまでは日帰りが多かったが、ことし10月、関東の中学校4校が修学旅行で訪れた。
 旅行会社のJTB東北(仙台市)と近畿日本ツーリスト(東京)は、地元自治体や観光関係者と連携して昨年から岩手、宮城、福島3県の被災地教育ツアーを企画してきたが、田老地区では最近まで実現していなかった。
 慶応義塾湘南藤沢中等部(神奈川県藤沢市)2年生167人は10月3日、JTB東北の「防災学習プログラム」を活用し、修学旅行で訪れた。学年主任の中平仁孝教諭は「旅行会社と連携し、不安を感じていた保護者にも安全性を伝えることができた」と話す。
 被災地を目の当たりにした生徒たちは「自分たちの街の防災をどうするか真剣に考えるなど、被災地に直接触れて大きな経験になった」(中平教諭)という。
 宮古観光協会の山口惣一事務局長は「子どもたちには防災・減災を長い目で考えてほしい。修学旅行がそのきっかけになれば」と期待する。


2012年11月16日金曜日


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