中国:習近平体制が発足 最高指導部は7人に
毎日新聞 2012年11月15日 13時04分(最終更新 11月15日 14時01分)
【北京・工藤哲、隅俊之】中国共産党は15日午前、14日に選出された第18期中央委員会による第1回総会(1中全会)を開き、胡錦濤(こ・きんとう)氏(69)=国家主席=の後任の総書記に習近平(しゅう・きんぺい)国家副主席(59)を選出した。習氏は軍トップの中央軍事委員会主席にも就任。最高指導部の政治局常務委員は9人から7人に減員された。政治局メンバーも刷新し、習氏ら第5世代を中心とする新指導部が誕生した。習氏は来年春に国家主席に就任し、首相になる見通しの李克強(り・こくきょう)氏(57)とともに中国の今後10年間のかじ取りを担うことになる。
総書記に就いた習氏は1中全会の終了後、新たな常務委員メンバーとともに人民大会堂で国内外の記者団の前に姿を現し、メンバー一人一人を紹介。「私たち7人が背負った任務は中国という国家に対する責任であるとともに、すべての中国国民に対する任務である」と表明した。
新たな政治局常務委員は序列順に習、李両氏に加え、張徳江(ちょう・とくこう)副首相兼重慶市党委書記(66)▽兪正声(ゆ・せいせい)上海市党委書記(67)▽劉雲山(りゅう・うんざん)党中央宣伝部長(65)▽党中央規律検査委員会書記に就任した王岐山(おう・きざん)副首相(64)▽張高麗(ちょう・こうれい)天津市党委書記(66)が選ばれた(年齢は11月末時点)。
常務委員の人事はぎりぎりまで調整が続いたとみられる。7人の常務委員の中で、胡氏、江沢民(こう・たくみん)前国家主席(86)に距離がある王岐山氏を除けば、胡氏に近いのは李氏だけ。習氏を含む残り5人は江氏寄りとされ、胡氏退任後の党運営で江氏の影響力がどの程度残るかが注目される。
一方、新たな政治局委員には、胡氏と関係が深く、習氏の次の指導者とも評される内モンゴル自治区党委書記の胡春華(こ・しゅんか)氏(49)や吉林省党委書記の孫政才(そん・せいさい)氏(49)など第6世代のホープが選ばれた。
また、軍の最高指導機関である中央軍事委員会のメンバーも決まった。胡錦濤氏は中央軍事委主席からも退いた。来年春の国家主席からの退任で完全引退となる。