「借金は身を滅ぼす」を紹介しますパート57

<2002年2月>

は〜。
毎日胃が痛い・・・。

どうしよう?
また今月の返済がやってくる。
もちろん財布の中にはお金がないし、通帳の中にもない。
家の中にもないし、会社の机の中にもない。

全くお金がない・・・。

とりあえず25日の給料日を迎えて返済に回ってみるが、やはり足りない。
家賃なんかは最初から計算にいれていなくても、それでも10万円は足りない。
これもアイフルやオリックスの「貸出停止」が大きい。

「全ての消費者金融が貸出を停止したらどうなるんだろう・・・」

考えるだけで恐ろしくなる。
そうなった時はそうなった時に考える。
まずは目の前の「10万円」の工面が急務だ。

といっても、もはや【借金】しか手段はない。
それも新規で借りないと、他からは1円も借りることはできないのだから情けない。

おそらく初めて何も計画を立てずに消費者金融に入っていったと思う。
その会社は『三和ファイナンス』。

女の社員:「(明るく)こんにちは!!」
  私  :「どうも・・・」
女の社員:「はじめてですか?」
  私  :「はい、はじめてです」
女の社員:「ありがとうございます。それで今日はどんなご用でしょうか?」
  私  :「(ここに来るのに借金以外ないだろう!)え〜とですね、少しお金を
      借りたいんですが」
女の社員:「では、こちらにご記入していただけますか」

いつもの見慣れた申込用紙に、備えつけのペンですらすら書いていく。

女の社員:「今日はなにか本人を証明できるものはお持ちですか?」
  私  :「保険証は持ってますけど」
女の社員:「ありがとうございます。印鑑はお持ちですか?」
  私  :「持ってます」
女の社員:「では審査が通りましたら、本日からご利用が可能ですね」
  私  :「(通ればね・・・)」

申込用紙に全てを書き終えると、女の社員がそれを持って裏の部屋へと消えていき、
30分近く経過した。
対面でこんなに時間がかかるのも久しぶりだ。

女の社員:「すいません、松下様。ご自宅には誰もいませんか?」
  私  :「1人暮らしなんで、誰もいないですけど」
女の社員:「そうですか・・・。それでは、ご実家の方に確認の電話をしてもよろ
      しいですか?」
  私  :「あまりよろしくはないですけど・・・。しないとまずいんですよね?」
女の社員:「そうですね。もちろん、私の身分は変えますので」
  私  :「分かりました・・・。バレないようにお願いします・・・」

そして、広島の実家に「大学時代の友人」という形で電話がいった。
そのお陰で『限度額:10万円』のカードを手に入れることができた。
(本当は『限度額:50万円』で申し込んだのに・・・)

消費者金融を出てから、限度額いっぱいで10万円を借りてキャスコ、レイク、UC
カードの返済にあてた。

その夜、実家の母親から電話があった。

母:「今日、大学時代の友達っていう人から電話があったけど」
私:「なんて言ってた?」
母:「連絡がつかなくなってたんで、電話番号を教えて欲しいって」
私:「そう・・・。誰だろう?」
母:「山本さんっていう女の人だったよ」
私:「ああ、山本さんね」
母:「友達かい?」
私:「うん、友達・・・」

まさか「消費者金融の人」とは言えない。

あ・・・・。
また今月も新規でカードを作ってしまった・・・。
来月も作らないといけないだろうな〜。
家賃も払ってないし、生活費も全くない・・・。

ああ・・・・。
とりあえず、もう1枚カードを作ろう!!
そうしないと明日から生活できない!!

よし、明日作ろう!!

が、事態は急変する。


2002年3月1日、全ての消費者金融が貸出を停止した。


☆最終回まであと『3回』。


<2002年2月現在>
 ・借入先:11件
      (DCカード、アイフル、アコム、オリックス、武富士、UCカード、
       モビット、プリーバ、キャスコ、レイク、三和ファイナンス)
 ・借入金:418万円(ローン含む)
 ・毎月の支払い:294,000円

紹介しますパート58につづく