情報BOX:中国新指導部7人の横顔
[北京 15日 ロイター] 中国共産党は新たな最高指導部、政治局常務委員を選出した。今回総書記に選ばれた習近平国家副主席(59)など、7人の横顔は以下の通り。
<習近平氏>
党総書記。国家副主席。59歳。来年3月に国家主席に就任する予定。
慎重な改革派とみられ、中国の経済改革の先進地とされる沿岸部の福建省や浙江省のトップを務めた。
高級幹部の子弟の集まりとされる「太子党」に属する。父親は毛沢東とともに国共内戦を戦った元副首相の習仲勲氏。父親の失脚も目にしており、文化大革命時代は農村に送られる「下放」も経験している。名門の清華大学で化学工学を学び、後には同大学でマルクス主義理論の博士号を取得した。
2007年には、上海市のトップに就任。前任者が大規模な汚職事件で失脚したことを受けたものだった。同年、政治局常務委員に就任した。
夫人は有名歌手。
<李克強氏>
党内序列2位。副首相。57歳。来年3月に首相に就任する予定。
慎重な改革派とみられている。1955年に安徽省で地元当局幹部の息子として生まれ、1970年代後半には人民公社で農作業に従事した。
安徽省を出るころには共産党メンバーとなっていた。
文化大革命後に最初に法律の教育を再開した大学の1つである名門の北京大学で法律を学んだ。英語の習得に取り組み、著名な英法学者ロード・デニングの「法の正当な手続」を共同翻訳した。
共産党内の序列を駆け上がり、1983年には、胡錦濤国家主席が当時率いていた共産主義青年団の中央学校副部長兼全国学連秘書長に選出された。
その後、遼寧省と河南省でトップのポストを経験。2007年に9人で構成される政治局常務委員会入りした。
<張徳江氏>
副首相(通商・工業担当)。重慶市党委員会書記。66歳。
今年に入り、失脚した重慶市トップ薄熙来氏の後任に選ばれたことで昇格の機会を得た。
江沢民前主席に近い。
東北部出身、北朝鮮の金日成総合大学で経済を学んだ。
<兪正声氏>
比較的目立たない存在だが、慎重な改革派とみられている。
金融の中心地で国際都市である上海市の共産党委員会の書記。
高級幹部の子弟で希望の星とされていたが、1980年代半ばに当時諜報機関幹部だった兄が米国に亡命したことから、キャリアを失いかけた。その後トウ小平の息子のトウ朴方と親密な関係だったことから復権を果たした。ただ出世コースからは外れた。
閣僚級の職を歴任後、2002年から政治局委員。現在67歳のため5年後の党大会では引退することになる。
<劉雲山氏>
党中央宣伝部長。65歳。
常務委員会ではプロパガンダ、イデオロギー面を担当する可能性がある。
内モンゴル自治区で国営新華社通信の記者として働いた後、同地で党の任務につき、宣伝部長を経験。その後、中央宣伝部に移り、2002年以降は中央宣伝部長に就任し、国内のインターネット規制にあたった。
共青団出身。党のプロパガンダ部門との関係が長く、胡錦濤氏と近い。
<王岐山氏>
4人の副首相のうち最年少(金融担当)。前北京市市長。64歳。
金融改革のほか、複雑な政治・経済問題を解決した実績が豊富。
企業経営者の経歴を持つ唯一の常務委員となる。1994─97年まで中国建設銀行(0939.HK: 株価, 企業情報, レポート)601938.SSを率いた。
中国代表として米国との金融・通商交渉を主導してきたほか、米中戦略経済対話にも参加した。
党員の汚職などを取り締まる党中央規律検査委員会の書記に就任する見通し。
<張高麗氏>
天津市党委書記。65歳。来年3月に筆頭副首相に就任する予定。
天津市党委書記就任時にまん延していた汚職問題に対応。江沢民派だが、胡前国家主席が3回、天津市を訪問しており、胡氏の信頼を得ているとみられている。
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