アマ7冠の怪物ルーキー、井上尚弥(19)が来年1月5日、東京・後楽園ホールで行われるプロ第2戦で、タイのライトフライ級王者ガオプラチャン・チューワッタナ(35)と50キロ契約で対戦することが14日、所属先である横浜市の大橋ジムで発表された。当初は別の世界ランカーが予定されていたが、井上のあまりの強さに恐れをなしたという。
当初、井上の相手には外国人の世界ランカーが内定していた。しかし、10月2日のデビュー戦で井上がフィリピン王者を左ボディー一発でもん絶させたシーンをユーチューブで目撃。恐れおののき、断りを入れてきたという。大橋ジムではその後、2人の世界ランカーに声をかけたが、調整が付かず。結局、ガオプラチャンに落ち着いた。
ガオプラチャンは35歳で戦績は8勝10敗。成績は平凡だが、8勝はいずれもKO。148センチと豆タンクのような体形の一発屋。油断したら足をすくわれかねない危険な相手だ。だが、井上は「文句の付けようのない内容で勝つ。来年はまず、日本か東洋王座をとって、世界につなげたい」とキッパリ。
デビュー戦で右拳を打撲。これ幸いと、左を集中的に練習してきたため、左が飛躍的に強化された。「ジャブというよりストレート。相手の戦闘意欲をなくすような左に進化した」と父・真吾トレーナー。デビュー戦はTBSの深夜放送だったが、2戦目は夕方放送に昇格。大橋会長は「説明のいらない強さ。見れば分かる」とニヤリ。2戦目も必見だ。 (竹下陽二)
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