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【大相撲】

日馬富士が油絵トレで精神統一

2012年11月15日 紙面から

支度部屋で笑顔を見せる日馬富士=福岡国際センター

写真

◇九州場所<4日目>

(14日・福岡国際センター)

 新横綱日馬富士(28)=伊勢ケ浜=は松鳳山に右下手投げを決め、1敗を守った。横綱白鵬(27)=宮城野=は魁聖を左上手投げで退け4連勝。大関陣は稀勢の里が栃煌山を突き落としで逆転して4戦全勝。かど番の琴奨菊は隠岐の海を寄り切り、鶴竜、かど番の琴欧洲とともに3勝1敗とした。関脇豪栄道は小結安美錦を押し出して4連勝とし、関脇妙義龍は初日を出した。全勝は碧山、豊ノ島、千代大龍の平幕3人を加えた6人となった。

 朝の稽古場では心静かに。一転、本場所の土俵では闘志むき出しに相手を圧倒した。2つの顔を持つ日馬富士が今場所2大関撃破の松鳳山を強烈な左の張り手2発で退け、3勝目を挙げた。

 張り手が効いたかと問われ「どうだろう。分かりません」と日馬富士。「自分の相撲をどれだけ落ち着いて取れるかですから」。淡々とした口調で激しさが凝縮された一番を振り返った。

 この日の朝稽古後。日馬富士が突然、油絵の筆をとった。縦約1・5メートル、横2メートル余りの大型キャンバスと向かい合う。福岡入りしてから描き始めた大好きな富士山に紅葉したもみじが掛かる風景画。赤と黄色の絵の具をミックスさせながら約1時間、もみじの葉を描き進めていく。本人いわくタイトルは「秋」。

 「気分でね。ここに来てから描こうと決めました。大事なのはもみじ。もみじが、はっきりすれば富士山が映える。自分の気持ちを(キャンバスに)ぶつけてます」。残念ながら本人の強い希望で撮影することはできなかったが、さすが、高校美術科在学中に個展を開く実績を持つだけに、その腕前はセミプロ級だ。

 これまでも場所中に何枚も描き上げており「みんなストレスがたまるとお酒を飲みにいったりするでしょ。私はストレスを色に出している。それが面白い」と穏やかに笑った。

 稽古場で油絵に親しんで精神統一し、ため込んだ力を本場所の土俵で見せつける。芸術家肌の異色横綱が、九州場所でも主役になる。 (竹尾和久)

 

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