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【サッカー】

オマーン撃破 岡崎 W杯王手弾

2012年11月15日 紙面から

笑顔でガッツポーズする岡崎=マスカットで(共同)

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◇W杯アジア最終予選第5戦 日本2−1オマーン

 【マスカット松岡祐司】日本、ブラジル行きに王手−。ワールドカップ(W杯)5大会連続5度目の本大会出場を目指す日本代表は14日、当地で行われたアジア最終予選B組第5戦でオマーンと対戦し、2−1で死闘を制した。前半20分、MF清武弘嗣(23)の代表初得点で先制。後半に追い付かれる苦しい展開だったが、後半44分にFW岡崎慎司(26)が決勝点を奪った。日本は4勝1分けの勝ち点13で首位をキープ。来年3月26日のアウェーでのヨルダン戦に勝てば、ブラジルW杯出場権を獲得する。 

 こぼれた!! そう思ったら、岡崎が鬼の形相で飛び込み、体ごと押し込んでいた。敵地で執念のW杯王手弾。1−1の後半44分、ドロー寸前。左SB酒井高のドリブル始動と同時に逆サイドの岡崎がギアを上げた。その瞬間、ゴールまでの道筋が頭に浮かんでいた。

 「(ゴール前のニアサイドに走り込んだ)ヤットさん(遠藤)が触ると思った。あそこにこぼれてくると思っていた。自分たちのサッカーを貫いて、最後に決められて本当に良かった」

 35度の暑さに負けじと走って走って、しびれる最終局面で躍動した。最大にして唯一のゴールという大仕事までやってのけた。「技術よりも気持ち。アシストよりも得点」という岡崎の魅力が最も凝縮した得点だった。

 失意の底にいた。10月の欧州遠征直前に左足親指に故障を負った影響で、フランス、ブラジル戦はドイツで自宅観戦を余儀なくされた。ピッチという戦場に立てない悔しさとともに、もう1つの感情が湧き上がっていた。

 「みんなと同じことを考えていた。個の力を上げる必要性を感じていた。自分も負けた気分になっていた。それをモチベーションにしていた」

 オレがいれば−。そう考えながら、圧倒されるチームメートを見ながら岡崎自身の力不足も感じ取っていた。だから、もう一度、「世界と戦うために」と自分自身と向き合った。

 所属クラブのシュツットガルトではサイドハーフが主戦場だが、練習ではようやくFWでテストされるようになった。そこでストライカーとしての本能を呼び起こそうと、必死に泥にまみれた。 「(ゴール前で)突っ込めないことが多かったけど、今日は突っ込めた。FWとしての感覚がやっと戻ってきた感じがある。それが自分にとっては大きい」

 W杯出場に手をかけた。今年6月のオマーン戦以来となる、最後の一滴を振り絞った岡崎弾。ザック監督のうなるような雄たけびは、「背番号9」に向けられた最高の賛辞だった。 (松岡祐司)

 

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