母校・桐光学園の快進撃を喜び、次戦への気持ちを新たにしたグランパスのMF藤本=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのMF藤本淳吾(28)に、母校・桐光学園から強力なエネルギーが送られた。10日に行われた全国高校サッカー選手権神奈川大会の決勝で勝ち、2年連続7度目の選手権出場を決めた。決勝を前に母校へ激励メッセージを送っていた藤本は大喜び。次は17日の磐田戦(ヤマハ)で先輩の存在感を示したい。
後輩に託した夢がある。藤本は高校3年間で一度も選手権の舞台に立つことができなかった。高3時は神奈川大会決勝で敗退。「オレともう一人U−17日本代表がいたんだけど、それでも弱かった」と振り返る。今でも選手権には特別な思いがある。後輩が7度目の出場を決めた翌日には、「勝ったね。昨年のメンバーが結構残っているし、楽しみ」と笑顔。心から喜んでいた。
神奈川大会の決勝を前に、藤本は後輩たちへ粋な“プレゼント”を贈っていた。一回り近く年が離れた先輩が母校へ届けたのは、一枚のファクス。そこに、「楽しんで、熱い試合をしてください」としたためていた。オフには母校へたびたび顔を出すという藤本の熱い檄(げき)が、桐光学園の勝利を陰からアシストした。
後輩は期待に応えた。次は藤本の番だ。前節のFC東京戦(7日・瑞穂陸)ではフル出場して1−0の勝利に貢献したものの、決定機を外す場面もあった。試合後にストイコビッチ監督は永井、金崎とともに藤本の名前を挙げ、「決めるチャンスがあったことを忘れてはならない」とくぎを刺した。
藤本は「目に見える結果を出したい」と繰り返す。追い求めるのはゴールという「結果」。高校生の奮闘に、後れを取るわけにはいかない。 (木村尚公)
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