闘莉王も育てた渋谷幕張高の宗像マルコス監督(右)にグランパスでの活躍を誓うペレイラ=千葉市の渋谷幕張高で(木村尚公撮影)
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名古屋グランパスは14日、渋谷幕張高3年のブラジル人FWチアゴ・ペレイラ(18)と千葉市内で仮契約した。グランパス側は長期的な視野で同校OBのDF田中マルクス闘莉王(31)に続く、次代のトッププレーヤーへと育てる方針。ブラジルから日本へ渡って大成功を収めた先輩のもとで、ペレイラの“ジャパニーズ・ドリーム”が本格的に幕を開ける。
ペレイラが理想とする未来も、目指すべき選手像も、すべてチームメートになる大先輩が示してくれる。仮契約を終えたグランパスの小椋チーム統括部長は開口一番、こう期待を口にした。「闘莉王2世だね。日本代表に入るような選手になって」。将来的には日本国籍取得も検討しているペレイラに、闘莉王と同じような道をたどってほしいと語った。
闘莉王を育てた渋谷幕張高の宗像マルコス監督から誘われたのは15歳のとき。6人兄妹の末っ子。母のマルシアさんは日本行きで離れ離れになることを嫌がったというが、ペレイラは「闘莉王さんのように日本で成功したい」と迷わなかった。
昨年の震災後、母校の様子を気遣った闘莉王が渋谷幕張高を訪れると、ペレイラは練習で果敢に勝負を挑んだという。宗像マルコス監督は「チアゴがキュッキュッと抜いていってね。闘莉王は『削るぞ』ってムキになっていました」と笑う。「闘莉王さんは負けず嫌い。怖いぐらい」とペレイラ。本物を間近に感じ、日本での夢がはっきりと形になっていった。
宗像マルコス監督は「チアゴは来日直後から日本食を平らげていました。普通は食べられないもの。こういう面は闘莉王と似ている。日本人の輪の中にも自然と解け込んでいく」と語る。闘莉王のように、日本で成功できる資質があると太鼓判を押した。
11月上旬にグランパスの練習に参加した際、ペレイラは闘莉王からスパイクをプレゼントされた。「『頑張れ』と言ってもらいました。一日も早くレギュラーになりたい」とほほ笑む。前線とDFラインを結ぶ最強の“師弟ホットライン”が誕生すれば、グランパスの将来は明るい。 (木村尚公)
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