28歳にして芥川賞を受賞!された愛知県出身の若き純文学作家、中村文則さんの講演に行ってきました。
場所は日経新聞名古屋支店。
現在31歳の中村さんが、
①どのようにして小説家の道を見出し、
②世間をうならせる実力を身につけ、
③その過程でどんなことを悟ったか
とても気になって、一番前の席を陣取って聴いてきました。
大きな目が優しげで、お話もざっくばっらんかつポジティブ。本人は自己評価を「暗い」とおっしゃっていましたが、決してネガティブではなく、内的ワールドが深い、という意味だと思いました。
まず、小説家を目指したきっかけから。
「小説を読むのが好きで、漠然と書きたいと思っていた。
書いてみたら、しっくりきた。すごい充実感だった。」
→なんとなく好きなことを、公開できるような形に実際仕上げてみて、そこに最高の充実感が得られた場合、天職につながる可能性があると思いました。
さらに、どうして若くして、プロデビューできたのでしょうか。
「自分を追い込むために、期限を決めた。2年は集中し、結果が出なかったら職業を持ちながら、のんびり書こうと思っていた。諦めるという選択肢はなかった。」
→期限を切るのは、本当に大切だと思います。達成したい目標があれば、手帳に書き込んでしまうのがベスト。職業を持ってしまうと、ついつい夢についてはのんびりモードになりがちですが、自分を追い込む体験は大切だと思います。
では、中村さんは、結果が出なかったとき、どういう思考に切り替えていたのでしょう。また、ポリシーのようなものも持っていたのでしょうか。
「結果が出なかったときは、自分を客観視して、厳しく見直してみた。好きなものを好きなように書くようにしていた。自分以外でも書けそうなものは書かなかった。人とは違うことをして、人より多く努力するのが夢を叶えるポイントだと思う。」
→甘くなりがちな自己評価から離れ、第三者的な立場で自分の作品を見直していく作業が必要だったのですね。自由気ままに好きなように書きつつも、客観的な視点を失わないバランスがとても優れている方だと思いました。また、人より多く努力する、というのは一番基本的で大切なことだと思います。
中村さんが、今作家として活躍される中で、心がけられていることは大変ためになりました。
・出会いに安心しない。育ててくれる方、応援してくださる方との縁は、自分が成長し続けていかないと続かない。
・アイデアを得るには、散歩する、メモを取る。
・読書のいいところは、言葉に敏感になって、自分で想像できること。
・講演などは、自分は若いので気が引けるが、参加者の方と一緒に勉強するつもりで前で話せば
いいというアドバイスをある方からいただいた。
好きなことを見つけて、高く評価されるという体験を得た方の言葉は、「素直さ」にあふれていました。
最後に中村さんの純文学作品のご紹介です。芥川賞受賞作は、「土の中の子供」です。
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