来月16日衆院選:急展開、第三極から悲鳴
毎日新聞 2012年11月14日 23時58分(最終更新 11月15日 08時34分)
野田佳彦首相が16日の衆院解散に踏み切ったことに、日本維新の会など第三極からは「首相にやられた。準備が間に合わず、新人は戦いにもならない」(大阪府議)と悲鳴が上がった。太陽の党の石原慎太郎代表は「大同団結」を唱えるが、協議は難航。「バラバラで戦わざるを得ない」との危機感も高まっている。
◇候補者擁立進まず
「いよいよだ。『人生1回こっきりの大勝負』と何度も言ってきたが、本当の意味での大戦(おおいくさ)。自分の力をすべて出し尽くす」。維新代表の橋下徹大阪市長は14日、大阪市役所で記者団を前に強気の発言を繰り返した。首相が党首討論で衆院の定数削減を訴えたことについても「有権者はあてにしないほうがいい。解散の言い訳、口実だ」と切り捨て、準備が整う前の解散にくやしさがにじんだ。
維新は候補者擁立を急いでいる。14日には東国原英夫前宮崎県知事(55)を衆院選の公認候補として擁立する方針も固めた。比例東京ブロック1位で処遇することを軸に検討している。
しかし、全体の態勢作りは遅れている。第1次公認の発表は解散翌日の17日。維新は14日、約60人を予定していた発表人数を80人超に増やすことを決めたが、「これ以上の前倒しは難しい」(大阪府議)状況だ。
首相の攻勢が生んだ第三極の焦りが、結集を後押しする可能性もある。
みんなの党の渡辺喜美代表は維新との政策協議について「前倒しする必要がある。第三極でつぶし合えば民自公の談合体制が勝ってしまう」と語った。橋下氏も14日、「最後まで太陽との協議はあきらめずやっていきたい」と発言。石原氏以外のメンバーを「カラーが違う」と遠ざけてきた姿勢を修正した。
減税日本を率いる河村たかし名古屋市長は14日、都内で記者団に「自民、民主を乗り越える新しい政治勢力を作ろうと思ってやってきた。連携を急速にやりたい」と語った。
ただ、政策などをめぐる各党の食い違いは残ったままだ。維新幹事長の松井一郎大阪府知事は14日、「減税が掲げた政策を降ろすなら別だが、そうでなければ(連携は)厳しい」と指摘。石原氏が河村氏と確認した太陽と減税の連携にも難色を示した。