民主党、解散を前に「離党ラッシュ」 これまでに6人が態度表明
衆議院の解散が、いよいよ16日に迫った。ここにきて民主党は、選挙をにらんで、次々と所属議員の離党が相次いでいる。また、その一方で、総選挙に向けて、第3極の結集の動きもあわただしくなってきた。
突然の解散宣言から一夜。
首相官邸に入った野田首相の表情は、普段通りに見えた。
しかし民主党では、16日の解散を前に、離党ラッシュが続いている。
15日、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加を阻止する会に、山田正彦元農林水産相が到着し、笑顔で会場の中へと入っていった。
山田元農水相は15日、「わたしは、民主党を離党せざるを得ない。離党する。TPPを反対してきた仲間と1つの勢力をつくって、選挙を戦うしかない」と述べ、はっきりと離党の考えを表明した。
さらに、中川 治衆議院議員は、「おお、今(離党届を)出してきたぞ。何がおめでとうじゃ、アホ」と、誰かに電話で離党を報告したほか、富岡芳忠議員、山崎 誠議員が離党届を提出した。
そして、長尾 敬衆議院議員も、16日に離党届を提出する考えを明らかにした。
その長尾議員は「(考えとしては自民党入り?)そうですね。その方向性でおります」と述べ、民主党離党後、自民党に入党したいとの考えを示した。
すでに14日、小沢鋭仁元環境相も、党を離れ、日本維新の会入りすることを明らかにしていて、14日の解散表明後、6人もの民主党議員が、離党への態度を示したことになる。
そうした中、民主党内で新たに離党の可能性が取りざたされているのが、鳩山元首相。
野田首相は14日、党首討論で「トラスト・ミーという言葉が、軽くなってしまったのか、信じていただいておりません」と述べた。
「トラスト・ミー(わたしを信じて)」という言葉。
これは、鳩山元首相が、かつて沖縄の基地問題で、オバマ大統領に使った言葉だった。
その鳩山氏は14日夜、「(民主党に残ってやっていくのは、かなり厳しいのではないか?)おっしゃる通りだと思います。党に残った場合、自分自身をどう処するのか。残らない場合、どうするのかという判断が求められると思います」と、離党の可能性について言及した。
一夜明けた15日、鳩山氏は、TPPの参加を阻止する会に到着、電話をしながら、硬い表情で会場の中へと入っていった。
会場では、ほかの議員たちと握手を交わして、話す様子も見受けられた。
離党を表明した山田元農水相らと、TPP反対の集会に出席した。
離党者が相次ぐ事態に、輿石幹事長は「責任は十分感じていますし。その責任をきちっと取るためにも、この選挙の陣頭指揮をやっていきます」と述べた。
一方、自民党の谷川秀善参院議員は「やっと昨日、やけくそなのか、野田首相が解散を口にしました。あとは(選挙に)勝つことだけですね」と述べた。
自民党の麻生元首相は「『近いうち』という定義は、100日になったということだけは、そうかなと」と述べた。
政権奪還を目指す安倍総裁は15日朝、経済団体との会合に出席し、「もし、わが党が政権をとったら、さらに世界が注目をするような成長戦略をつくり、それを勇気を持って実行していきたい」と、選挙後の抱負を語った。
こうした中、第3極の連携をめぐる動きも、めまぐるしさを増している。