■「注文ストレスなくす」
現在、マクドナルドは約3300店のうち、3100店でカウンター上にメニューを置いていない。狙いは何か。日本マクドナルドはこう説明する。「目的はお客様にカウンターでストレスなく注文してもらうこと。列に並んでいる間に触れるメニューの情報量を増やし、考える時間を持てるようにした」
カウンターにたどり着いてからメニューを見て注文を考えようとしても、後ろの行列が気になって客はストレスを感じる。その解決策として、新方式を編み出した。
同社の原田泳幸会長兼社長は以前から「1秒早く商品を提供すれば、全店で8億円の増収につながる」と口にしてきた。業務効率化により、マクドナルドで店員が注文を受けてから商品を提供するまでの時間は1分以内と、ファストフード他社に比べても断然短い。
一方で、店側の努力が及ばないのが、客がカウンター前で悩む時間だ。店舗で見ていると順番が来るまでスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)をいじっていたり、友人との話に夢中になっていたりと、とても注文を考えながら並んでいるとは思えない。
「注文を受けた後」だけでなく「注文するまで」の時間も短縮できたら、回転率の向上につながる――。そこに着目したという解釈も成り立つ。
日本マクドナルドは「カウンターでじっくり考えていただくのは、まったく問題ない」と反論。それよりも「カウンターに到着する前に十分なメニュー情報があれば、お客様がストレスなく注文できる」という。ただ、「十分なメニュー情報」の一部にカウンター上のメニュー表も含まれるはずで、同社の説明は「なぜメニューを撤去しなければならなかったのか」を説明する理由としては不十分にも映る。
では、カウンターメニューに替わって、何を頼りに注文するのか。まずはカウンター奥の上部にあるメニューボードだ。大型店では7枚程度あり、目立つ位置には期間限定などお薦め商品のセットメニューが載る。
カウンターメニューを撤廃した10月1日以降はイーゼルなどを使い、全メニューを表示した大判のポスターをカウンター前に設置した。並んでいる間に見て注文を決められるようにという配慮だ。
1日以降は「分かりにくい」などの声がネット上で広がり、日本マクドナルドにも同様の意見が寄せられた。同社も「カウンターに行くまでに(ポスターで)メニュー情報が得られると十分にお客様に認知されたか、反省も残る」と話す。
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