英は回復鈍化と物価上昇に直面、中銀は資産購入再開可能=総裁

2012年 11月 14日 22:53 JST
 
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[ロンドン 14日 ロイター] イングランド銀行(英中央銀行)のキング総裁は14日、英国は景気回復の鈍化と物価上昇の双方に直面しているとの認識を示し、中銀は景気刺激に向け資産買い入れプログラムを再開することができると述べた。

同総裁は「回復が鈍化するなか、インフレ率が目標を上回っており、いわばあまり魅力的でない状態に直面している」と述べた。

英中銀はこの日に発表した四半期インフレ報告で、今後1年半のインフレ率は8月時点の見通しよりもかなり高くなる公算が大きいとの見方を示している。

キング総裁は、金融政策委員会が11月に資産買い入れ枠を据え置き量的緩和の休止を決めたことの背景には、インフレ見通しがあったと述べた。

同総裁は、ユーロ圏債務危機という大きな向かい風のなか、金融危機から英経済を大幅に立て直すために、金融政策をもって行えることには限界があるとの認識を示しながらも、「金融政策委員会は、政策措置としての資産買い入れ策に対する信念を失っていない。今後、さらなる買い入れは行わないとの決定も下していない」と述べた。

英中銀はこのほど資産購入プログラムを通して買い入れた英国債の利子収入を政府に移管することを決定。これに対し中銀の独立性を損ねるとの批判が出ていることについてキング総裁は、これにより金融政策委員会の金利決定権が損なわれることはないと説明。

「中銀の政策決定権や資産買い入れの総額、および買い入れた資産を売却するタイミングなどはまったく影響を受けないため、この件について大きく懸念していない」と述べた。

 
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