英中銀、短期のインフレ見通し引き上げ=インフレ報告
[ロンドン 14日 ロイター] イングランド銀行(英中央銀行)は14日発表した四半期インフレ報告で、今後1年半のインフレ率は8月時点の見通しよりもかなり高くなる公算が大きいとの見方を示した。こうした認識は、中銀による追加的な景気刺激策の足かせとなる可能性がある。
イングランド銀行は、景気の低迷にもかかわらず、インフレ率が2014年第3・四半期前に目標としている2%を下回ることはないと予想した。8月時点では、2013年第4・四半期まで2%を上回ると見込んでいた。
英国立統計局が前日13日に発表した10月の消費者物価指数(CPI)は前年比で2.7%上昇した。大学の授業料などの教育費や食料費の上昇が指数を押し上げ、5月以来5カ月ぶりの高水準を記録した。
英国では、公共料金の引き上げなどを受けてインフレ率が今後さらに上昇する可能性が強い。イングランド銀行は、インフレ率が来年第3・四半期に2.6%でピークに達すると予想している。
英経済は一時的な要因で第3・四半期にリセッション(景気後退)局面を脱却したが、ユーロ圏の債務危機や政府による緊縮財政措置、銀行の貸し渋りなどが重しとなって成長率の基調は引き続き弱いままだ。
イングランド銀行は「ユーロ圏の緊張が景気回復の持続にとって最大のリスクとなっている。景気回復の力強さは、生産性の伸びが回復する度合いにも左右される」と指摘した。
2年後の英国内総生産(GDP)伸び率については、金利が市場予想通りに推移すれば1.9%前後になるとの見通しを示した。8月時点の予想は2.0%だった。
2年後のインフレ率の見通しは1.8%前後とした。
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