PC遠隔操作:位置情報を改変か…自殺示唆メール
毎日新聞 2012年11月14日 22時42分
遠隔操作ウイルスによる犯罪予告事件で、「真犯人」を名乗る人物から自殺を示唆するメールが報道機関などに届いたことを受け、警視庁などの合同捜査本部は14日、添付画像の位置情報で割り出した横浜市保土ケ谷区の県営住宅団地を集中的に調べた。15日以降も聞き込みを続ける方針だが、送信元の特定には至っていない。「真犯人」が捜査のかく乱を目的に、意図的に位置情報を改変していた疑いも浮上している。
メールには、スマートフォンで撮影した画像が添付され、13日夜に報道機関など7カ所に一斉送信された。
位置情報が示していたのは横浜市保土ケ谷区にある団地の一角。敷地内には7棟計186戸あり、14日朝から警視庁や神奈川県警の捜査員約30人が、戸別に家族構成、スマートフォンの所有の有無、パソコンのプロバイダー、購読紙などについて調べた。14日夕までに、ほぼ確認を終えたが、自殺者や送信元に関する情報は得られなかったという。
スマートフォンで撮影した画像データには全地球測位システム(GPS)の位置情報が記録されるが、情報セキュリティーの専門家は、ネット上に出回っているソフトなどで簡単に変更が可能と証言する。
今回のメールについて、当初、捜査本部内には「自分の居場所を早く探してほしいという真犯人からのメッセージ」との受け止め方があった。しかし、送信の際に匿名化ソフトが使われていたことが判明、位置情報が書き換えられていた疑いが浮上したことから、自殺の意図などはなく、捜査のかく乱を目的にしたものと見て、データの解析などを進めている。【小泉大士、喜浦遊、松本惇】