◇九州場所<3日目>
(13日・福岡国際センター)
横綱白鵬(27)=宮城野=が隠岐の海を寄り切りで退け、3連勝。前日に金星を配給した新横綱の日馬富士(28)=伊勢ケ浜=は栃煌山を危なげなく寄り切り、連敗を免れた。大関陣は、稀勢の里が小結豊真将を寄り切って3戦全勝。鶴竜と、かど番の琴奨菊、琴欧洲はそろって2勝目を挙げた。かど番の把瑠都は左太もも裏の負傷で休場し、来場所で関脇への降下が濃厚となった。不戦勝の関脇豪栄道は3連勝。関脇妙義龍は3連敗を喫した。全勝は碧山ら平幕5人を加えた8人。
◇
初金星を獲得して勢いに乗る隠岐の海をもてあそぶように料理した。立ち合いで隠岐の海の小手投げを残した時点で勝負は白鵬の流れに。右四つになって動きが止まったが、横綱は左手でバチンと隠岐の海の脇腹をたたく“奇襲”。それに反応した隠岐の海が右肘を張った瞬間に、サッと巻き替えてもろ差しから寄り切った。
奇襲の理由を聞かれた横綱は「少し脇が開きますからね」。人間の習性を熟知している横綱の高度なテクニック。隠岐の海も「何か来る! っと思って肘を張ってしまった」と脱帽だ。
余裕たっぷりのそんな取り口であっても、横綱としてのプライドは忘れていなかった。負ければ隠岐の海に2日連続で金星配給となる。
「(その意識が)ないわけじゃないけど、どうこうというより、2人はないよね、というね」とニヤリ。大きな壁として立ちはだかった。
親交があり、いっしょにゴルフをしたこともあるプロゴルファーの石川遼が、初日の11日に2年ぶりの優勝を飾った。
「気持ちは分かる気がしますね」。白鵬も優勝から3場所遠ざかっている。横綱に昇進してから最も長いブランクだ。
「支えてくれた方々に感謝、感謝ですね。それが2年ぶりの優勝につながった」と自分のことのように喜んだ。
そして、会ったときには「1ホール、1ホールどんな気持ちで臨んだか詳しく聞きたい」。変わることのないこの探求心が、23回目の優勝へ導いてくれる。 (岸本隆)
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