「時事深層」

マック、崩れた「勝利の方程式」

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2012年11月14日(水)

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 今後は新商品の数を絞り込むと同時に、商品に応じたメディア選択も見直す。今までは新商品すべてに対してテレビCMを流していたが、マスに向かって打つもの、モバイル会員のコミュニケーションに絞るもの、店舗のポスターだけで売るものなど、顧客層や商品特性に合わせて購買行動をナビゲーションしていく。

 一方で、定番メニューのマーケティングに投資をする。こうした取り組みは、過去8年間で一度もやったことがないが、一つひとつのメニューに対する投資金額を増やす。実際、韓国と香港は2011年以降、ビッグマックのプロモーションで成功を収めている。

 これまで、ビッグマックは粗利が非常に高く、広告宣伝をせずとも着実に売れる「キャッシュカウ」だった。食べたことのある人は継続的に買ってくれる。しかし、今の若い人たちには、ビッグマックを食べた経験が驚くほど少ないことが分かった。

 今は昔とは違い、商品の選択肢が広い。我々も、やれ「クォーターパウンダー」だ、「ホットゴールドマサラ」だ、と言い、CMでもそちらに重点を置いてきた。結果、他社には真似できない、マクドナルドの中でも絶対的に強い商品の存在すら知らない人がいる。

 「朝マックコンビ」の販促を継続的に行わなかった点にも機会損失があった。2010年にあれだけ人気を集め、既存店売上高の2ケタ成長につながったにもかかわらず、その後の朝食時間帯のマーケティング投資はゼロ。一度経験した人は継続的に利用するが、それ以外の人は認知していない。強い商品にマーケティング投資をしないのは根本的に間違っている。今後は朝マックも継続的に訴求をしていく。厳しい時こそ、まずは基本に立ち返ることが重要だ。

日経ビジネス 2012年11月12日号12ページ
−マック、崩れた「勝利の方程式」− より

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瀬戸 久美子(せと・くみこ)

日経ビジネス記者。日経ホーム出版社に入社後、『日経TRENDY』(家電の実験に追われる)、『日経WOMAN』(働く女子のホンネを聞き続ける)を経て、日経BP社との合併を機に『日経ビジネス』へ。特技は女子の内なる悩みや不安を聞き、共感できる誌面に仕上げること(経済誌にどう生かせばいいのか未だ模索中)、裁縫。趣味は読書、歌うこと、ラグビー&箱根駅伝観戦

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