PC遠隔操作:ウイルスを米サーバーに保管か 匿名性悪用

毎日新聞 2012年11月14日 02時30分

ウイルス感染の仕組み
ウイルス感染の仕組み

 遠隔操作ウイルスによる犯罪予告事件で、誤認逮捕された大阪府や福岡、三重両県の男性3人のパソコンが感染したウイルスは、米国のデータ保管サービス会社「Dropbox」のサーバーに一時保管されていたとみられることが、捜査関係者への取材で分かった。こうしたサービスはオンラインストレージと呼ばれ、一般的に匿名性が高いことから、サイバー犯罪に使われることも多いという。警視庁などの合同捜査本部は犯罪予告事件の「真犯人」が、この匿名性に着目して悪用した疑いがあるとみて調べる。

 捜査本部は「犯行声明」メールなどの送信元を調べるため、12日から米国に捜査員を派遣しているが、連邦捜査局(FBI)などの協力を得て、D社の通信記録についても開示を求める方針。

 関係者によると、3人は、無料ソフトなどを入手しようとネット掲示板「2ちゃんねる」に張り付けられた「URL」をクリック。自動的にD社のサーバーに接続され、無料ソフトと一緒に遠隔操作ウイルスもダウンロードしていたとみられる。

 D社は米サンフランシスコに本社を置き、ストレージサービスを提供。使いやすさや一定の容量まで料金がかからないことから、人気を呼んでいる。

 同サービスを利用するには名前や電子メールアドレス、パスワードなどの登録が必要。しかし、情報セキュリティーの専門家によると、フリーメールでも登録は可能で、個人情報の真偽をチェックするシステムがないサービスも多いという。専門家は「匿名性を悪用して登録し、サーバーにウイルスが仕込まれる危険は常にある」と警鐘を鳴らす。【小泉大士、喜浦遊、松本惇】

 【ことば】オンラインストレージサービス

 インターネット上のサーバーで写真や文書などのデータを保存する場所を貸し出すサービス。いわばネット上の「貸し倉庫」。ネットに接続できる環境さえあれば、どこからでもデータを取り出すことも可能。指定された容量までは無料のケースが多い。11年3月に韓国の政府機関などのサイトが閲覧不能になった事件では、オンラインストレージに仕掛けられたウイルスが攻撃を指示していたとされるなど、サイバー攻撃に使われることもある。

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