GS美神異聞GS横島

第三章:横島の事情 その2

 

妙神山、人間界と神界をつなぐ門であり、GS達の修行場としても有名である。

この地は磁場においても霊気においても非常に特殊な場所で、竜脈の収束地でもありその価値は高い。

その妙神山の顔の一つに他界とのゲートを開くという物がある。

事務所から「転」「移」の文殊で妙神山に移動した二人は今そのゲートをくぐり、蓬莱山の麓に来ていた。

ここから海に向かえば小竜姫の父、東海竜王の居城である竜宮に行ける小竜姫はそこで横島と別れ海に向かうが横島は山を登り始める。

山頂付近に住む仙人の長である東王公(西王母あるいは金母の旦那とも言われている)の庵を目指している。

途中の川で横島は衣服を脱ぎその流れに身を任せ、体を清めていると一人の男が近づいてきた。

「やあ、横島君久しぶりだね」

男は川辺に腰を下ろすと話しかけてきた。

「五柳靖節真君、お久しぶりです。」

水の中から礼を返す横島に男は微笑み返す。

「私のことは淵明と呼んでくださいと言ったじゃないか。

ご大層な名をいただいたところで、この山の門番にすぎないんだよ僕は」

このニコニコと笑いながら話しかけてくる青年が、いざとなると神族魔族相手に五分以上に渡り合える実力者であることを横島はよく知っていた。

「東王公様は今日はいらっしゃいますか?」

横島の問いかけに淵明はうなずいた。

「君が来る頃だからといって、昨日から例の薬を作っていらっしゃる。で、どうなんだい?調子は・・・」

横島は軽く肩をすくめると笑って見せた。

「おかげさまで何とか進行を抑えていますよ。最近は発作の回数もかなり減ってきたし・・・」

アシュタロスの一件でルシオラの霊気構造を取り込むことによって命を長らえた横島だがそのまま決戦におもむき、まだ体内に取り込んだ魔族の霊気構造が安定する間もなく大量の霊気を消費する戦闘に参加したため魔族因子が著しく活性化し、結果横島の体は人のそれよりも魔族に近い体となった。

そして、それは徐々にだが心にも影響を及ぼし始めていた。一番顕著に表れるのは破壊衝動、ふと気づくと自分がひどく戦闘的になっていることに気づく、その思いが西条に向かっているならば横島も気にはしなかったろうがその対象として美神やおキヌに対して湧き上がったとき横島の精神は崩壊しかけた。

実際には自分思いとその思いに対する激しい嫌悪とが衝突し、激しい嘔吐と頭痛にのたうち回った。

それを知っているのは、小竜姫に聖天大聖、ヒャクメにワルキューレ、ジークといった神界魔界のメンバーの他には美神美智恵、タマモ(この二人は苦しむ横島を実際に見ている)くらいであろう。

そして、それが横島を独立させるきっかけとなった。

「しかし、仙薬って言うのはすごい効き目ですね。あの発作がこんなに押さえられるなんて・・・」

川から上がり体を拭うと、持ってきた着替えに服を変え、身なりを整えた。

「すでに、魔族に近い体を持つ君に人間や神族の薬は毒にしかならない。かといって、魔族の薬はまだ人として残っている部分が受け付けない。霊能力によるヒーリングは有効だが、君を癒せるほどの者はそうそういはしまい。」

淵明の言葉に頷き、荷物を背負った。

「さて、行きますか」

庵を目指し、歩き出す横島を淵明は見送った。

 

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後書き

 

どうも、ちょっと間をあけてしまいました。と言うのも今回はもっと書きたいことあったんですが、絡ませる予定だった仙界というか仙人の資料、どこかにやってしまってなんにもないんです。従って、記憶にある物しか使えないのにそれもさしてのこってない(滝涙)五柳靖節真君だってどこから持ってきたかも定かでないんで正しいかどうか怪しい(滝汗)

仙薬や蓬莱山の事書きたかったのにぃ〜。

 

あと、東海竜王は、神界の竜王とは別一族と言うことでその昔、孫悟空が如意宝珠(如意棒)を入手したのは東海竜王の城(竜宮)で、小竜姫はそこの末姫と言うことで設定を組んでおります。(文中で書くのは無理。いずれ、設定だけでも作りたいと思ってます。)

 

あまりに長くなりそうなんで二話に分けたけど、繋がらないうえに終わらんかった三話で終わるかはさらに謎だし。(笑)

管理人様、ニクスさん、弟子さん、次はもう少し、まともに書きますんでおゆるしを・・・