米軍設置板、警告根拠に米国法明記

野嵩ゲートに以前から掲げられている警告板。根拠法を「日本の法律」と記している

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米軍普天間飛行場の野嵩ゲート前の壁に10月から掲示されている警告板。根拠法を「合衆国法」と明記している=10日午前、宜野湾市

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2012年11月13日 09時45分
(24時間22分前に更新)

 オスプレイ配備への抗議行動が続く米軍普天間飛行場の野嵩ゲート前に、10月から掲げられている立ち入り禁止の警告板が、波紋を広げている。根拠に、「悪法」との評価も根強い米国法を明記しているためだ。付近に以前からある他の警告板はすべて、根拠を「日本の法律」と記しているだけに弁護士は「時代錯誤の主権侵害だ」と批判している。

 問題の警告板は10月1日、ゲート前の黄色い壁に3枚張られた。警告文には「制限区域につき関係者以外立ち入り禁止」という文言に加え、「国内保安条例 合衆国法797号」と付記されている。冷戦下の1950年に米国が制定し、「赤狩り」を名目に市民の言論や報道、集会の自由を制限した「国内保安法」を指す。

 米軍は83年にも、埼玉県の大和田通信基地のフェンスに、米国の国内保安法を明記した警告板を設置したことがある。その際は同年3月8日の衆院予算委員会で、野党議員から「違法な掲示だ」と指摘されて同日中に撤去。「不手際で誤って掲示してしまい、誠に遺憾」という談話を発表した。

 違法の疑いがある警告板が放置されている現状に、沖縄人権協会事務局長の永吉盛元弁護士は「抗議行動を続ける県民を脅すために書いたのだろうが、時代錯誤も甚だしい」と速やかな撤去を求めた。沖縄防衛局報道室は「私たちが警告文を掲げる場合は、米国法を記すことはない。米軍が掲げたと思うが、妙な表記だ」と不思議がっている。(新里健)

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