横浜市・社会人採用試験

 2011年の実施内容

1次試験:9/25  申込期間:8/2~11
・受験資格:S27.4.2~S56.4.1生まれ
・職歴条件:直近7年で5年以上 *「民間経験者」「福祉職経験者」区分の場合
・1次試験:教養試験(120分40問)*ただし、2次試験の「論文」もこの日に実施
・2次試験:面接 <10月28日~10月30日のいずれか1日>
・3次試験:面接 <11月12日または13日>

≪実施結果≫
年度 区分 申込者 受験者 1次合格 2次合格 最終合格
H23 国際貢献活動経験者 42 37 10 6 4
民間経験者[事務] 1437 1124 206 102 42
民間経験者[土木] 237 179 114 62 36
民間経験者[建築] 80 61 24 16 10
民間経験者[機械] 76 64 42 26 14
民間経験者[電気] 65 52 25 15 11
民間経験者[造園] 38 31 5 3 2
社会福祉職経験者 72 65 48 29 20
H22 国際貢献活動経験者 44 39 7 4 1
民間経験者[事務] 1555 1240 169 84 34
民間経験者[土木] 265 216 67 32 17
民間経験者[建築] 92 77 23 15 5
民間経験者[機械] 81 64 16 8 4
民間経験者[電気] 60 43 16 8 6
民間経験者[造園] 34 30 9 4 2
社会福祉職経験者 49 41 34 23 13
H21 国際貢献活動経験者 54 49 15 11 6
民間経験者[事務] 1792 1481 217 108 28
民間経験者[土木] 245 203 86 49 28
民間経験者[建築] 105 88 24 13 6
民間経験者[機械] 80 58 16 10 2
民間経験者[電気] 55 42 17 9 4
民間経験者[造園] 48 42 7 2 2
社会福祉職経験者 67 59 31 22 16
H20 国際貢献活動経験者 67 57 19 15 4
民間経験者[事務] 1993 1551 339 204 60
民間経験者[技術] 578 463 53 31 20
社会福祉職経験者 76 70 34 18 11

<試験の特色・対策>
 平成19年度に130人(民間経験者・事務区分)もの最終合格者を出したことで話題になり、また他の主要自治体にさきがけて年齢上限を撤廃、「59歳まで受験可」としたことからも非常に注目されるようになった。ただし、平成20年度の最終合格者は60人(民間経験者・事務)と半減。21年度は28人とさらに半減した。ただし、そうはいっても合格者の絶対数はなお多いし、「国際貢献活動経験者」「社会福祉職経験者」や技術系各職種など、多彩な区分が設けられている点も魅力的である(該当者にとっては……ということだが)。
*横浜市の場合、例年、受験資格は「直近7年のうち5年以上」でかつ、2年以上継続した職場しか算入してはいけない、というややこしい条件になっている。転職回数の多い人は、受験資格の確認に十分な注意が必要である。
*教養試験では独自の時事系問題を大量出題するのが特徴。たとえば平成21年の出題内訳を見てみると、

【横浜市・社会人採用試験 教養試験の出題内訳(平成21年)】
《120分 すべて五肢択一式 必須回答》

問題番号 出題内訳
1~10 独自の時事問題
11~20 社会科学(政治・経済・国際関係など)
21~25 人文科学(歴史・地理)自然科学(化学・生物)
26~31 文章理解(和文3・英文3)
32~40 判断推理・空間把握・数的推理・資料解釈

 時事問題の内容は「サミット」「定額給付金」「名ばかり管理職」「ふるさと納税」「新型インフルエンザ」「地上デジタル放送」……など、多岐にわたっていた。
 直近2年は1次試験での絞りこみがかなりきつくなってきているので、教養試験対策にも手を抜けない。

*平成20年度までの「経験論文」が21年度から「論文」試験(750字/60分)に変更され、課題式論文の要素が強い出題に切り替わったが、23年度には一転して「経験論文」に戻っている。したがって、今後受験する人は経験論文・課題式論文のいずれにも対応できる準備を進めておくべきであろう。

・論文の出題例
「今までの職務経験の中で、あなたの工夫した事例はどのようなことか。また、その経験を市民のための市役所づくりにどのように役立てたいかを述べなさい。」(平成23年)
「現在横浜市では、『横浜市中期計画』(平成18~22年度)の次の計画の策定に取り組んでおり、本年9月に『横浜市中期4ヵ年計画(素案)』を取りまとめた。この計画(素案)では、現在の様々な課題に対応する基本政策として、『子育て安心社会の実現』『市民生活の安心・充実』『横浜経済の活性化』『環境行動の推進』を挙げている。これらも参考にしながら、横浜市が抱える課題を1つ挙げ、その解決の方策について、あなたの考えを具体的に述べなさい。」(平成22年)
「横浜市の将来人口推計は、下のグラフの通りとなっている。(グラフは省略)現在は人口が増え続けているが、十数年後には人口減少に転じ、本格的な少子・高齢社会の到来、生産年齢人口の減少などをはじめ、今後、様々な課題が予想される。今後想定される課題の中から、あなたが最も関心を持っている課題を一つ挙げ、その解決に向けて、横浜市職員としてあなたはどのように関わっていきたいか、具体的に述べなさい。」(平成21年)
 このように、論文課題は横浜市の政策・計画に関するある程度の知識を前提としたものなので、「中期4ヵ年計画(現時点では素案)」などはしっかり読みこんでおくこと。

*2次の面接Ⅰは2対1(20分)。3次の面接Ⅱは3対1(30分)。
 面接試験では申込み時に提出するエントリーシートの記載内容から詳しく質問される可能性が高い。(現在の書式では職歴欄の他に「勤務・活動経験」「志望理由」「セールスポイント」「取り組みたい横浜市の事業・業務」の4つの欄が大きく取られている。)したがって、申し込みの段階で提出する「エントリーシート」をきっちり練りあげて記入しておかなくてはならない。(特別区など、1次合格後に「面接カード」を書けばよいケースに比べると、時期的に非常に早いのでくれぐれも注意が必要だ。)
 面接では、「志望理由」「これまでの職務経験」もさることながら、「横浜市の事業で関心をもっているもの」「横浜市の現状、課題」「横浜市職員としてやりたいこと」「入庁後のキャリアプラン」などについてもかなり問われるようだ。こうした問いに対しては、現在、横浜市が行っている取り組みなどを熟知していないと説得力のある答え方はできないので、事前に十分な研究が必須だろう。