【北京・工藤哲、隅俊之】北京で開かれている第１８回中国共産党大会の閉幕直後の１５日に開催される第１８期中央委員会第１回総会（１中全会）で、政治局委員の王岐山（おう・きざん）副首相（６４）が最高指導部の政治局常務委員に昇格することが確認された。王副首相は汚職の調査や取り締まりを担当する党中央規律検査委員会トップの書記に就任する。複数の中国筋が明らかにした。

　王氏は故姚依林（よう・いりん）元副首相の女婿。中国人民銀行（中央銀行）副総裁などを歴任し、０８年から副首相として金融や貿易などを担当してきた。朱鎔基（しゅ・ようき）前首相との関係が深い。

　政治局常務委員は現在の９人から７人に削減される見通しで、習近平（しゅう・きんぺい）国家副主席（５９）と李克強（り・こくきょう）副首相（５７）の留任がほぼ確定している。残りの５人の顔ぶれを巡っては指導部内の各勢力が激しいポスト争いを繰り広げ、ぎりぎりの調整が続いていたが、新たなメンバーが確定するのは初めて。

　関係者によると、党中央規律検査委員会の新委員の名簿が１３日に党大会関係者に示されたが、この中に王氏の名前が含まれていた。政治局委員のポストで名前があるのは王氏だけで、引退する賀国強（が・こくきょう）書記（６９）の後任として常務委員に昇格することが事実上確認された。