焦点:現代自動車が量から質へ戦略転換、新興国市場でシェア失う恐れも
[スリペルブデュール(インド)/ソウル 12日 ロイター] 韓国の現代自動車(005380.KS: 株価, 企業情報, レポート)が経営戦略を転換し、生産の重点を量から質に移した。このため自動車市場の拡大が続く新興国市場でシェアを失う恐れがあり、好調なインドでの生産についても、輸出分を削って国内販売に回さざるを得なくなっている。
現代自動車と傘下の起亜自動車(000270.KS: 株価, 企業情報, レポート)はスタイリッシュな車を手ごろな価格で販売し、世界第5位の自動車メーカーにのし上がった。こうした経営戦略はインドのような新興国市場で特に成功を収め、同国では第2位のシェアを誇る。
生産を抑えて製品の質を高める戦略にかじを切ったのは、やみくもに増産に走ると、立派な作りという評判が傷付くのを恐れたためだが、この方針転換に対しては幹部の間にも異論がある。
ソウルの現代自動車のある幹部は「われわれは全世界で生産を増やすよう求めている。幹部は鄭夢九(チョン・モング)会長に対して、もっと販売を増やす必要があり、生産能力を拡大すべきだと進言している。しかし会長は『何を言っているのか。生産能力はもう十分だ。必要なのは安定性だ』と言っている」と話す。
<モデルはサムスン>
現代自動車はブランドのイメージという点でまだトヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)やフォルクスワーゲン(VOWG_p.DE: 株価, 企業情報, レポート)に及ばず、廉価製品のメーカーから世界的なブランドへと脱皮したサムスン電子(005930.KS: 株価, 企業情報, レポート)に続こうと狙っている。
鄭会長はそのためにこの数年、黙々と戦略を切り替え、生産の拡大を後回しにしてブランドの確立と品質の向上を図ってきた。
先の幹部は「(会長は)以前は工場の増設を進めたが、幹部は品質に問題があるから販売は困難だと主張していた。それが今は幹部側から突き上げがある。もっとたくさん売れるというのだ」と話す。 続く...
改革より重視される「忠誠」
中国共産党の次期最高指導部が発表されるのを前に、「改革派」の有力者たちはその印象を払しょくしようとしているようだ。
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