ロータス文化学院設立趣意書 および授業内容
当学院は将来的には私立大学にする構想もあるが、当面は校舎を持たず人と人とのネットワークを元に、適材適所に本物の実力を持った一流の講師陣を配置し、心がけの正しい人材を育てる「形のない学校」である。
ちなみにロータス(lotus)とは蓮華のこと。煩悩即菩提(悩み苦しみこそ幸福の種)、因果同時(蓮華は花と実が同時になるように今この瞬間の志と行動が結果となって顕現する)ことから、仏教では特別に尊い花とされてきました。仏典の白眉と言われる法華経「妙法蓮華経」(不思議な蓮華の教え)にはそういう意味が込められています。
設立の趣意
1、現代の大学はほとんどの場合講師陣を縁故採用し、異常に高い授業料を請求する一方、ろくな授業をしない大学が増えている。当学院はこのような現状を反面教師として、教育の原点回帰を目的とする。
幸い、当学院設立の趣旨に対して松本俊夫先生、牧野守先生という世界に名前を轟かす映像研究者兼製作者が賛同され、「人生の集大成の講義をしたい」との決意で、ご高齢にも関わらず講師陣に名を連ねて頂いた。このお二人の講義を後世に残す使命感が、当学院設立の直接の契機である。
2、学生、老人、一般市民、研究者、芸術家を問わず、「ロータス文化学院」は、この講座を受けてよかった、と受講者が感動し人生観が一変することを目指し、幅広い分野から有能で志の高い講師を揃え、なるべく安い授業料で本物の芸術と学問を分かり易く教える。
3、単に知識を提供するだけでなく、現代の松下村塾として講師陣は今の日本と世界に求められる人材を育成する志をもち、八王子を発信基地として町興しと人造りに貢献する。
4.人づくりの一環として、無名でも稀有な知識・技能を持ち、当学院の趣意に共感される講師を募集する。
以下の講座の内、松本・牧野両氏に関しては一定数が集まれば公共の大きな教室でオリエンテーション(無料)があります。お二人以外は八王子市平岡町20-2第一那田ビル302号室で同じく第一回目は無料のオリエンテーションを行います。302号室の講座については16回で3万5千円(教材費が別途かかる可能性もありますが安いです)。那田尚史の講座については同じビルに住んでいますから、一人からでも無料のオリエンテーションを行います。
松本・牧野両氏の受講料は未定ですが、大学の授業料よりは遥かに安く設定しています。
問い合わせは 電話:042-634-9230 あるいは メール でお願いします。
管理人住所は 〒192-0061 八王子市平岡町20-2第一那田ビル202 那田尚史宛。
(尚、受講料を無償にする代わりに、講師たちの講義を撮影し、松本、牧野両先生を車で送迎できる人を募集してます。連絡下さい)
講座内容の概要
1、「世界異色映画論」講師:松本俊夫。
東大医学部入学後文学部美学科に移籍して卒業、戦後日本における前衛映画、実験映画の生みの親であり、監督としても理論家としても別格の存在。日本中の大学に映像学科を設置したのはひとえに松本氏の尽力によるものである。元日本映像学会会長。杉並区在住。以下、松本氏本人の講座内容。
本講座では20世紀後半の世界の異色映画に眼を向けて、そのさまざまなタイプの刺激的な映画体験の断層に、ものの見方、感じ方、価値観のパラダイムチェンジを浮上させていく。まずは斬新な驚きと、じかに向き合うことから始めたい。
以下、松本先生の授業内容(一回目の無料のオリエンテーションのあとです)
1.『忘れられた人々』(ブニュエル、1950、メキシコ)
2、『オルフェ』(コクトオ、1950、フランス)
3、『24時間の情事』(レネ、1959、フランス)
4、『情事』(アントニオーニ、1960、イタリア)
5、『夜のダイアモンド』(ネメッツ、1964、チェコスロバキア)
6、『気狂いピエロ』(ゴダール、1965、フランス)
7、『過去と現在』(オリヴェイラ、1971、ポルトガル)
8、『ラ・パロマ』(シュメット、1974、スイス)
9、『エレメント・オブ・ザ・クライム』(トリア、1984、デンマーク)
10、『インテルヴィスタ』(フェリーニ、1987、イタリア)
11、『サンタ・サングレ』(ホドロフスキー、1989、メキシコ)
12、『クローズアップ』(キアロスタミ、1990、イラン)
13、『ジェーコブス・ラダー』(ライン、1990、アメリカ)
14、『乙女の祈り』(ジャクソン、1994、ニュージーランド)
15、『ビフォア・ザ・レイン』(ジャクソン、1994、マケドニア)
16、『オープン・ヨア・アイズ』(アメナーバル、1997、スペイン)
2、「歌って泣いて映画で学ぼう」(牧野守講座A)講師:牧野守。
映画文献史家であり「牧野コレクション」は映画研究資料として日本一の質と量を誇ったが、昨年コロンビア大学に譲られた。海外から日本映画を研究に来た留学生の多くが牧野家詣でをして蔵書を元に論文を書き、現在門下生が世界中の大学教員となって散らばっている。テレビ放映草創期のディレクターであり、また記録映画の神様と言われる亀井文夫の片腕として協力してきた。国分寺市在住。
主に戦前にヒットした映画の主題歌を字幕つきカラオケ映像で歌いあったのち、その映画が製作された背景、技術等を解説する。高齢者、要介護老人を対象とする講座である。
3、「日本映画の歴史と理論」(牧野守講座B)(この講座は講師の体調などにより未定です)
日本映画に関しては知らないことはない、と言われる講師が黒澤明、小津安二郎、亀井文夫、内田吐夢、衣笠貞之助、伊丹万作らの作品を上映しながらその映画論を解説する。青春時代に映画ファンだった中高年層から映画に興味のある若者までを対象に、研究的内容を分かりやすく講義します。
4.「総合文化論」講師:那田尚史(土曜午後5時から7時)。
早稲田大学第一文学部卒業後、同大学院演劇映像科修士課程修了。元早大・東京工芸大非常勤講師。『ロータス人づくり企画』代表。微笑禅の会、RJP基金などの代表を務める。武道、音楽、宗教、政治、芸術、歴史、なんでもありの授業。講師は手作り一弦琴から堤防釣り、日曜大工、山菜採集、競馬予想など、ストレス解消のために始めたあらゆる趣味が「修行化」してしまう異常な凝り性。その場の気分で講義します。本業?は実験映画・前衛映像の研究批評と禅の指導(と友人は言うが自分では分からない。要するに器用貧乏の典型)。受講生の年齢は問いません。八王子市在住。およそ以下のような授業内容になります。
*戦前から戦後にかけての小型映画の歴史と技術
*ビデオ作品の撮り方、編集の仕方
*批評の意義(いい作品を作るには自分が一番目の肥えた批評家になることです)
*シュルレアリスム理論と作品解説
*縄文文化から聖徳太子まで
*武士の作法(武道の実践指導あり)
*一弦琴の作り方と演奏方法
*ビートルズ考(曲を聴き、歌詞について考え、ビートルズの思想を探る)
*釣りの裏技=堤防釣りから川釣りまで+体にいい野草の見分け方(気分が乗れば野草料理が出るかも)
*詩歌の作り方、味わい方
*仏教の歴史と理論
*禅の理論と実践方法
その他、名画鑑賞などなど(この講座は喫煙可です。タバコの嫌いなかたはご遠慮ください)。
那田講師の執筆リストなど