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 2012/11/13(火)
 多気町、受け入れ断念 震災がれきで町長表明 風評被害を回避
【震災がれき受け入れ断念を表明した久保行央町長=多気町議会協議会室で】
【多気郡】多気町の久保行央町長は十二日、東日本大震災の被災地のがれき広域処理について受け入れ断念を表明した。同日全員協議会を開いた同町議会も受け入れ反対を決定。久保町長は「風評被害が出た場合、その責任が持てない」などと話した。近く県に報告する。

 同町は県の要請を受けて震災がれき処理の受け入れについて、七月十一日から十月一日まで、四十九全ての自治会単位に住民説明会を開催。その席上でアンケートを実施してきた。

 また、町内外から多くの反対署名や団体から反対の意見書が出されていた。

 この日の全協で久保町長は住民説明会の様子や町内の動きを説明。前半は人道的に受け入れようとする声が多かった。中盤に岩手県久慈市の廃棄物で放射能不検出と伝えられ、「不検出がれきで、自治体の取り組みが促進されると思ったが、全く逆だった」と振り返った。

 後半には町内外から受け入れ反対の署名や、まちづくりに尽くす団体からの反対意見書も出された。「東京の消費者から契約取り消すと言われた」という風評被害を恐れる若い農業者の訴えなどもあり「受け入れは難しい」との見解を示した。

 議員からは、県が決める震災がれき焼却灰の受け入れ先も決まっていない▽町を悩ませる原因をつくったのは県だ▽町を二分することは避けるべき▽不検出でも町民の安全を最優先すべき―などの意見が出され、議会も反対を決定した。

 久保町長は、議会も反対▽まちづくりに尽くす団体の反対の意見書、ごみ処理施設周辺住民の反対署名▽県内処理量二千トンだが、他市町の動きなく、多気町だけになる恐れもある―の三点を挙げ、受け入れ断念を表明した。

 会見した久保町長は「アンケートに協力したのは八百十人、反対署名は約一千六百人あった。二千トンのがれきは多くない。三重まで持ってこなければならないものなのか」と疑問を示した。被災地支援については「近く岩手物産展を開く。人的支援は難しい」などと話した。




  
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