若松孝二監督も出演、過激なテーマで物議をかもした衝撃作「アジアの純真」DVD化!
2011年のロッテルダム映画祭で、その過激なテーマが物議を醸した一方、「白黒の奇跡」と絶賛を浴びた問題作「アジアの純真」が、遂にDVDで登場する。
監督はプロデューサーとして「ピストルオペラ」「オペレッタ狸御殿」で、21世紀鈴木清順ワールドを世に送り出した鬼才、片嶋一貴。静寂なモノクローム、哀愁漂うピアノ、そしてパンクな映像表現を巧みに合致させ、孤独な少年少女の“屈折したロードムービー”を完成させた。主人公を演じるのは「ピストルオペラ」でデビュー以降、「誰も知らない」、「疾走」、「悪人」など、日本映画界の鬼才監督たちの作品に多数出演してきた実力派女優、韓英恵。また今作には、先日急逝した若松孝二監督も出演している。
さらに著名人からも絶賛のコメントが寄せられた。
「女子はスッキリ、男子は手に汗握る純情純愛パンク映画。韓英恵のチャーミングなヤケクソ感が最高!」内田春菊(漫画家)
「今の世の中を反映したストーリーと、その世界での若者の葛藤が印象的でした。精神描写とフランス映画のような雰囲気が独特の世界観をかもし出し他にはない作品だと思いました」栗山千明(女優)
「この大胆かつ痛ましい問題作を、無視し未公開のまま放置しているわれわれこそ、いくじなし!と罵倒されるべきである。『アジアの純真』は見る者すべてを議論の場にひきずり出す。それを恐れるならわれわれはいつまで経っても船出できないのだ」青山真治(映画監督)
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「アジアの純真」DVDはセル・レンタルともに2012年12月7日(金)よりリリース