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【三重】震災がれき受け入れ問題に波紋 多気町断念で多気町は十二日、震災がれきの受け入れ断念を表明し三月以降、町を二分してきた問題を決着させた。同町の決定が県内の受け入れ問題に波紋を広げるのは確実で、受け入れを表明している県の対応にも影響しそうだ。 町役場二階で開かれた町議会全員協議会。議長を除く町議十三人が受け入れについて次々と意見を述べた。「焼却灰の最終処分場が決定していない以上、受け入れはできない」「県内の他自治体ではがれきに関する議論が進んでいない」と反対意見が続出。十二人が反対し、賛成は一人だけ。議会の意向も踏まえ、久保行央町長が「断念」を決断した。 背景として「住民の反発」「他自治体での議論不足」「最終処分場の未決定」の三要素が挙げられる。七〜十月に開いてきた住民懇談会でのアンケートには約七割が賛成したものの回答者総数は八百十人。一方、町内や隣接自治体などから町に寄せられた反対署名は三倍近くの千五百七十九人分に達した。 県が同町以外に受け入れ調整を進めていた伊賀南部環境衛生組合や尾鷲市、熊野市では議論が膠着(こうちゃく)。全協では「多気町だけで受け入れることはできない」との発言も出た。一方、焼却灰について県は伊賀市の廃棄物処理会社「三重中央開発」に受け入れを要請しているが久保町長は「県が要請した七月以降、話は進んでいない」と否定的な見方を示している。 多気町の断念にも県はがれき処理推進の立場を崩していないが、検討してきた自治体の断念の影響は大きい。久保町長は「今後は東北物産展などを通じて支援を考えていきたい」と話した。 (水野健太) PR情報
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