首都急転:’12知事選 迫る衆院選、混迷拍車 相乗りか、対決か 各党、支援候補を模索
毎日新聞 2012年11月13日 東京朝刊
次期衆院選の年内実施の公算が大きくなり、東京都知事選(29日告示、12月16日投開票)の構図が混迷の度合いを増している。主要各政党は独自候補の擁立をほぼ断念し、無所属候補らの支援に回る構えだが、衆院選と連動して他党と戦うのか、衆院選とは切り離して相乗りを容認するのか、決めあぐねている。情勢見極めのため有力候補の出馬表明がさらに遅くなるとの見方もあり、水面下での駆け引きが告示直前まで続きそうだ。【竹内良和、佐々木洋、夫彰子】
「無所属の候補者を推薦、あるいは支持をする」。自民党の安倍晋三総裁は11日のテレビ朝日の番組で、独自候補を擁立しないと明言した。党本部は猪瀬直樹・都副知事(65)を推す意向で、これに難色を示す都連幹部らは新党改革代表の舛添(ますぞえ)要一参院議員(63)の支援を模索する。だがどちらにしろ、衆院選で戦う政党と相乗りになる可能性が高い。
猪瀬氏は、第三極の結集を呼び掛ける石原慎太郎前知事が後継指名し、みんなの党の渡辺喜美(よしみ)代表も「政治理念や基本政策がほぼ一致している」と支援を表明している。自民党の世論調査で猪瀬氏の支持率が高いことから、同党には別の候補を推して痛手を負うのは避けたいとの思いが強いが、都庁内では「国政では第三極と戦うのに知事選では相乗りというのは、どうなのか」との声も漏れる。
相乗りが取りざたされるもう一人の舛添氏は、12日の定例記者会見で、自民、民主、第三極のそれぞれから立候補の打診があると説明し、「大変ありがたいこと。14日の党首討論を見て対応を決めたい」と出馬に含みを持たせた。ただ、公認・推薦に関し「よその党から立候補するなんてあり得ない」とも述べ、支援が特定の政党に偏ることへの警戒感も示した。
前回次点だった東国原(ひがしこくばる)英夫氏(55)は「日本維新の会」を率いる橋下(はしもと)徹・大阪市長と親交があるが、橋下氏は猪瀬氏を「知事にふさわしい」と評価する。自民、民主から推す声は出ておらず、本人は「白紙の状態」と繰り返している。