捕鯨の町として有名な太地町(たいじちょう)の湾内に、クジラやイルカを放し飼いにする「くじら牧場」の計画が進んでいます。反捕鯨団体の活動に悩まされている町は「クジラやイルカとともに生きる町」をアピールすることで、観光客誘致につなげたい考えです。
太地町が中心になって作成した「くじら牧場」の構想によりますと、太地町北側の森浦湾(もりうらわん)のうち、東京ドーム6個分近い広さを網で仕切り、そこへミンククジラやバンドウイルカなど小型のクジラとイルカを放し飼いにするということです。そして牧場の近くに海水浴場をつくって、観光客や地元の住民が、クジラたちと一緒に泳いだり、カヌーで遊んだりできるよう整備することにしています。
ただ今後、牧場の運営費の確保や、湾内で真珠を養殖する業者との交渉などの課題もあるため、オープンには5年はかかる見通しです。太地町の三軒一高(さんげん・かずたか)町長は「町全体がクジラを中心とした自然公園になるような環境を整えたい」と話しています。