横浜ＦＣ４位　Ｗ杯から復帰のカズと一緒に昇格だ

　「あと２試合残っています。応援する力は残っていますか？」

　リーグ戦のホーム最終戦。雨中の場内あいさつで、山口監督が声を張り上げた。シーズン初めの第３節で監督解任劇。荒療治の結果はすぐには出ず、第８節で今季３度目の最下位。どん底に落ちた横浜ＦＣが、Ｊ１昇格プレーオフ準決勝のホーム開催権を手にした。

　勝ち点２だった第５節から指揮を執る山口監督は「引き受けたときは『もうちょっと上の順位を』と思っていた。願わくば、一番上に立ちたかった」と言った。あと１勝で自動昇格を逃した。悔しさはある。ただ、振り返るのは先延ばしだ。「あとふたつ勝てば（Ｊ１に）上がれる。自分たちの力で道を切り開こう」。試合後のロッカールームでイレブンにこう声をかけた指揮官は、今季２戦２敗の千葉戦を前に「秘策を練っていこうかな」と含み笑いをした。

　自動昇格を逃した一方で、フットサルＷ杯出場中のカズが大会終了後に再合流することが決まった。２−２の後半３９分、ヘディングで決勝点を挙げた元日本代表ＦＷ永井は「一番いい報告ではなかったが、（カズと）一緒に戦う場をつなげられた」と話した。日の丸パワーが注入されたキングが戻る横浜ＦＣが、６シーズンぶりのＪ１昇格に向けて突っ走る。　（関陽一郎）