空間放射線量:モニタリングポスト改修 1割低く測定
毎日新聞 2012年11月07日 21時39分(最終更新 11月07日 21時48分)
内閣府原子力災害現地対策本部は7日、東京電力福島第1原発事故を受けて、文部科学省が福島県や近隣県に設置した675台の「可搬型モニタリングポスト」全てが、実際よりも約1割低い空間放射線量を測定していたと発表した。検出器の隣に設置したバッテリーが遮蔽(しゃへい)効果をもたらしたとみている。同省はバッテリーの位置をずらす改修工事を来週にも始め、来年2月末までに終える予定。
モニタリングポストは空間線量や風向きを自動測定する装置。同省は今年4月までに、可搬型モニタリングポストを福島県内に545台、宮城や山形などの近隣6県に計130台を設置した。
同省によると今年5月以降、福島県内の自治体や住民から「空間線量が適切に測れていないのではないか」との指摘が相次いだ。このため、サーベイメーターと呼ばれる携帯型の線量測定器を使って各地で計測した結果、平均して約1割高い線量になったという。
記者会見した内閣府原子力災害現地対策本部の木野正登広報班長は「バッテリーで遮蔽されるとは思いがいたらなかった」と謝罪。改修工事には総額1.5億円かかり、国が負担するという。【神保圭作】