漸く週末ですね。。。。。
サラリーマンモデラーにとってはストレスや疲れを癒す貴重な休日ですが、もちろん大変貴重な制作時間でもあります。
天気が悪い日が続くようですが・・・・家に籠るにはいい口実。
やっぱり天気がいいと家にいてチマチマと模型造っているのはなんだか気が引けますからね。
しばらくバイクにも乗っていませんから暖かくなったら模型以外の趣味の活動再開です!
城巡りもしなくては!
さて、先日の日記でご紹介しました「錆びて塗装膜が剥がれて捲れた表現」ですが、今までいろいろなモデラーが様々な手法をチャレンジしてきました。
■まずは錆色を塗装した後にマスキングゾルを部分的に塗って本体色を塗り、それを剥がす方法。
■サランラップに塗装してそれを部分的に張って捲れを再現する方法。
■線香で部分的に焦がしてそれをめくる方法
■錆捲れではありませんが本物の錆を削ってそれを接着する方法・・・etc
どれも加工が大変ですし、コントロールが難しくそれに・・・あまり「綺麗なめくれ」の錆び表現が出来ていないように思えました。
私もいろんな手法を試して来ましたが、本物の錆をよく観察していたときに,とある方法を思いついてしまいました!

先人のやり方はすべて「塗装膜を実際に剥がしてしまう」方法。これは繊細でかつ薄い塗装膜だけを剥がすのは本当大変。0,1mm以下の厚みをコントロールするのは大変です。
そこでO型の楽天主義な私があみ出したおうちゃく方法・・・・
直接プラモデルの表面に傷をつけてめくってしまう方法です。
大胆に切れ目を入れるので「ダイレクトカット」方法と名付けました。
(名前もひねりなく、ダイレクト!笑)
下の図で解説します。

30°刃カッターかデザインナイフで、プラの表面に直接なるべく薄く斜めに切れ込みを入れます。
そして・・・ちょいと手首を捻ってめくり上げる・・・・ハイ、おしまい。
カッターを入れ込む深さや長さは、まぁやってみるとそれほど深く、そして長くはできませんから本当にカッターの刃先をちょいと入れこんで「くいっ!」と持ち上げるだけの感覚です。
(まぁ持ち上げなくてもいい捲れになるんですけど)
結果として捲れた部分の段差はまったく同じ面なのですが、目の錯覚でまるで錆面と塗装膜が剥がれた部分には
キャップがあるように思えるのです。
このダイレクトカット方法は、塗装した後でも、塗装する前でもどちらでも施す事ができます。
そして自分の好きな部分にすきな大きさや形で付ける事が出来る利点があります。
さて、論じるよりは実際の作例で説明しませう!
■ポーターキャブはすでに基本塗装がすんでいます。
私の場合はこの後の作業を考えてラッカーで塗装しています。
(どうせ錆塗装するのであまり表面を整えていません)
●よく錆がまわる車体下やバンパーの部分にダイレクトカットを施しています。
この写真のようにカッターの刃先でちょっとだけ傷をつけているのが解ります。
●ちなみに私は30°刃カッターを愛用しておりデザインナイフは使いません。
※なおこの手法はカッターの刃先が折れやすいので、折れた刃先が目に入らないように作業用ゴーグルの着用を
お勧めいたします。

先にタミヤのホワイトサーフェイサーで下地を造った後に車体基本色を塗っておりますので、ダイレクトカットを施している際にちらりとカットした断面から下の白が見えたりしてけっこうリアルな感じになりますね。

加工が終ったら錆の塗装です。
タミヤアクリルの「ハルレッド」をめくった部分の塗装します。
捲れが「ダム」のような役割を果たしておりますので塗装しやすいと思います。
わざとムラになるように面相筆の毛先でちょいちょいつつくように。
これだけでも十分に錆の雰囲気がでていますよね。1色しか使っていませんけど。
上に貼付けてある実際の錆の写真をみると、けっこう黒い色をしているのが解ります。
ハルレッドに黒をまぜたものを部分的にアクセントで塗るとさらにリアルになるでしょう。

さらに錆が進行しますと雨によって溶け出した錆が流れて来ます。
その再現方法には「クリアーオレンジ」を使います。

溶剤で希釈したクリアーオレンジを幅広の筆で大胆に錆の流れを造りたい所に「濡らす」ように流れの方向に筆を動かして塗装します。そして湿った状態のまま今度はクリアーオレンジをちょっと濃いめにした状態で面相筆で流していきます。こうすると幾重もの雨で次第にながれた自然な感じの錆の流れがグラデーションで綺麗に再現出来ます。
もちろんクリアーオレンジだけではなくハルレッドを混ぜながら流すとさらに良くなります。

よく錆の流れを「ハルレッド」や「レッドブラウン」を使って表現する人がいますが、
ボってとした錆がわざとらしく流れているように見えてしまいます。
その塗装でもリペアーが可能で、その上から希釈したクリアーオレンジを丁寧に何度も塗り重ねるとやがて下に塗った色が溶け出してグラデーションになって「綺麗な錆の流れ」が再現出来ます。
この方法はどうもアクリル塗料でやった方がいいように思えます。
エナメルは溶剤で希釈して塗装すると乾いた後に油のムラのような模様が残ってしまう場合があるからです。
アクリルのクリアーイエローでじゃぶじゃぶと錆を流す為に下地を溶かさないようにラッカー系で基本色を塗るのです。でもラッカーは匂いが・・・と家庭で禁止されている方もいると思います。
上記のやり方は素早くやれば基本塗装でアクリルをやっていてもまぁなんとか出来ると思います。
過去に造った他の作品、1/24 スバル360で補足説明しておきます。

クリアーオレンジをじゃぶじゃぶ流れるように塗装する。。。。これがいい感じに「染まる」雰囲気になっていいんですよね。
完成するとこんな感じ。
1/24スケールでも1円玉と比較するとけっこう小さいです。

この作品も思い出深い作品なのでいずれブログで詳しく紹介しますね。
ちなみに・・・
この方法は塗装後でも出来るといいましたが、塗装前にやるとこんな感じになります。

めくった部分のプラスチックが白く変色するのでめくった部分が解りやすいですね。
このマツダの3輪トラックは2年ぐらいまえに作りは初めて、この状態でほったらかし。
これが本当の「放置車両」。
お後がよろしいようで。。。。。。
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2012/03/10(Sat)10:10
by 情景師・アラーキー
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