ブライデンさん
認知症のはなし
オーストラリアからクリスティーン・ブライデンさんが来日されました。彼女は政府高官だった17年前、46歳で認知症と診断されました。世界各国で認知症への理解を訴え、日本へも2003年から時々訪れ、全国で講演。2冊の日本語の著書もあり、認知症のケアに多大な影響を与えています。
「認知症の人は霧に包まれて生きているという側面があり、アイデンティティーを失うことへの不安を感じている」とブライデンさん。「認知症の人抜きに対策を話し合っても何も始まらない」と、認知症の人本人が参加する「本人会議」を提唱。これを受け同国政府は、認知症の人の声を直接政策に反映させる取り組みをしています。
また彼女は良き介護者や理解者をケアパートナーと名付けましたが、最近ではイネーブラー(enabler)といって、認知症の人の残された能力を最大限引き出す存在と位置づけています。社会がいかに認知症を理解し、上手な付き合い方が重要かを教えてくれます。
厚生労働省は今後、地域の人との交流の場「認知症カフェ」を全国に設置する方針です。認知症の人と家族への真の支援とは何か、について考えたいものです。(国立長寿医療研究センター内科総合診療部長・遠藤英俊)
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