米専門家“日本への関心薄れるおそれも”11月7日 8時3分
大統領選挙の結果がアメリカの対日政策に与える影響について、日本専門家のマイケル・グリーン氏は、大きな方向性に変化はないとしつつも、どちらの政権になっても日本がより存在感を示さないかぎり、アメリカ政府内で日本に対する関心が薄れていくおそれがあるとの懸念を示しました。
これはシンクタンク「戦略国際問題研究所」の上級顧問で、日本部長のマイケル・グリーン氏が、NHKのインタビューに答えたものです。
この中でグリーン氏は、6日の大統領選挙でどちらの候補が当選しても、対アジア外交の方向性や日米同盟の重要性に大きな変化はないとの考えを示しました。
そのうえで共和党のロムニー政権が誕生した場合は、オバマ政権に比べ、太平洋における海軍力の維持や、TPP=環太平洋パートナーシップ協定を含めた自由貿易の推進により重点が置かれるとの見通しを示しました。
一方、オバマ大統領が再選された場合は、クリントン国務長官が政権を離れるとの見通しを示し、「クリントン長官はアジアに関心が高かった。今後の対日関係は、後任の国務長官がどのくらいアジアや日本に関心を持っているかによるところが大きい」と述べました。
また、今後の日米関係については、どちらの政権になった場合も、沖縄県の尖閣諸島を巡る日中間の対立や北朝鮮情勢が悪化すれば、同盟関係の強化が急務となる可能性があると指摘しました。
その一方でグリーン氏は「同盟関係の維持は『庭仕事』のように時間をかけて地道に手入れをすることが必要だ。しかしイランの核開発問題のように、隣で火事が起きてしまった場合、庭仕事を続けるのは簡単ではない」と述べ、民主・共和どちらの政権の下でも日本が安全保障や経済面でのさまざまな課題に積極的に取り組みより存在感を示さなければ、アメリカ政府内で日本に対する関心がますます薄れていくおそれがあるとの懸念を示しました。
[関連リンク] |
|