家電メーカーの凋落が著しいが、その発端はフルハイビジョン(2K)テレビの価格下落にあったと言っても過言ではない。その家電メーカーがテレビの“新基準”を作り上げようとしている。それが2Kの4倍の解像度を誇る4Kテレビだ。本当に消費者にメリットはあるのか? デジタルメディア評論家の麻倉怜士氏に話を聞いた。
4Kテレビは4K2Kテレビ、2Kテレビは2K1Kテレビとも呼ばれる。従来の2Kテレビが1920×1080ピクセルの解像度であるのに対し、4Kテレビの解像度は2Kの4倍の約4000×2000ピクセルを誇る。現在のところ厳密な統一規格はないが、ハリウッド規格準拠のソニーと、東芝とシャープが採用する規格が存在するが、どちらも大きな差はない。
これまで家電メーカーはテレビの売れ行きが落ちるたびに、3Dテレビのような“新基準”をメーカー都合で提案して、テレビの買い替え需要を喚起してきた過去がある。どちらも一時的に話題にはなったが、各家庭に浸透したとはいえない状況だ。
4Kテレビも買い替え需要を喚起させるための仕掛けではないのか?
「確かにメーカーの仕掛けと言われれば否定はできませんが、4Kテレビは大画面化が進む現状に即しているのは間違いありません。以前は29型テレビですら大型テレビと言われましたが、2Kテレビが普及してからは37型や41型が普通のサイズになり、今では50型以上のテレビに買い替える人が増えています。大型テレビを買う人が増えた半面、部屋の広さは変わらないので至近距離で見る人が増えるわけですが、至近距離では画素が目立ってしまい、映像がボケてしまうんです。それを改善するために4Kの解像度が必要になるんです」(麻倉氏)
テレビには最適な視聴距離が存在する。2K以前のブラウン管テレビでは、画面の高さ×5倍以上という距離だった。2Kになってからは画面の高さ×3倍以上が最適な視聴距離とされており、50型テレビであれば約60センチ×3倍=180センチとなる。
ところが大画面化が進む一方で、テレビを設置する部屋が広くなったわけではない。大画面化によって最適な視聴距離が長くなれば、きれいな映像を楽しむことができなくなる。それでも消費者の大画面ニーズに対応するには、テレビ自体の解像度を4Kまで上げなければいけなかったというわけだ。
狭い部屋で現状の2Kコンテンツを大画面で見るためには、4K解像度が必要なことは分かったが、では4Kコンテンツ自体はどれくらいあるのか?
「現在、4Kの生コンテンツは不足、もしくはほとんどありません。撮影する4Kカメラ自体も米国のレッド・デジタル・シネマと日本のソニーが販売しているほか、キヤノンが販売を予定しているだけです。それでも各社が2Kコンテンツを4Kに変換する技術を開発したことで、4Kコンテンツ不足は解消されると言っていいでしょう。2Kコンテンツを4K画質で見られるほか、数十年前のフィルム映画ですら4K画質で楽しめるようになります。生の4Kコンテンツも先日、スカパー!さんがスポーツ中継で試験放送しましたので、徐々に増えていくでしょう」(麻倉氏)
ここまでの話で大画面化には4K解像度が必要なこと、そして4Kに対応したコンテンツが徐々に増えていることも理解できた。価格はソニーの84型「ブラビア KD-84X9000」が168万円と高嶺の花だが、麻倉氏は「3年以内に1インチ1万円まで下落するだろう」という。
現状、4Kテレビを販売中、もしくは販売を予定している日本メーカーはソニー、東芝、シャープの3社だが、さらに多くのメーカーが参入すれば各家庭に浸透する可能性は高そうだ。
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