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近大マグロ JR大阪駅北側に出店へ

近畿大がナレッジキャピタルに出店する専門料理店で提供するクロマグロ。近大産を示すロゴシールがついている

 JR大阪駅北側に来年4月に開業する「グランフロント大阪」の中核施設「ナレッジキャピタル」に、世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功した近畿大学が養殖魚の専門料理店を出店する。国内外で高く評価されている近大の養殖技術を世界に発信する。

 養殖マグロなどを販売する大学発ベンチャー「アーマリン近大」(和歌山県白浜町)が、外部委託して運営する。店舗名は「近畿大学水産研究所」とする案が有力だ。白浜町に本部を置く研究所と同じ名称で、研究成果を示す場と位置付けて通常の飲食店と一線を画すという。

 店では、クロマグロ、ヒラメ、イシダイ、クエ、トラフグなど研究所で完全養殖に成功した18種類の養殖魚を中心に提供する。近大の農場で生産した肉や野菜、果物や、和歌山の地酒などの特産品も扱う。

 農学部の学生や、経営、建築、陶芸を専攻する学生も店作りに参加させて「実学の場」とするほか、来店者の評価を品質改良に生かすなどの相乗効果も期待する。年間売上高は2億5000万円を目指す。

 近大の養殖は約60年の研究実績を持つ。特に、2002年に卵からの完全養殖に成功したクロマグロは、成魚になるまで給餌を正確に管理できるため味が良く、大阪や東京の百貨店で「近大マグロ」として販売されている。

 入居するナレッジキャピタルは、多数の企業や大学が進出を決めている。研究者と市民の交流を促し、市場ニーズに素早く対応した商品の開発につながるとして、「うめきた」の目玉施設として注目されている。

2012年11月10日  読売新聞)
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