再生の原風景 渡良瀬
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【社会】逗子の刺殺 県警、女性転居先漏らす2012年11月9日 13時57分 神奈川県逗子市の住宅で、デザイナー三好梨絵さん(33)が元交際相手の男に刺殺されたとみられる事件で、県警逗子署の捜査員が昨年六月、男を脅迫容疑で逮捕した際に、逮捕状に付いた書類に記載されていた三好さんの住所と結婚後の名字を読み上げていたことが分かった。男は同九月に執行猶予付きの有罪判決が出て釈放された後、別れた三好さんに大量の脅迫メールを送り付ける一方、居住地を探していた。 署は「この読み上げで男に初めて住所と名字を知らせた可能性がある」として、対応の経緯を調べている。 署によると、読み上げは容疑者に逮捕理由を伝える刑事訴訟法上の手続き。しかし、つきまとい行為をしていた元教員小堤英統(こづつみひでと)容疑者(40)=東京都世田谷区=に刺殺された三好さんの個人情報を教えていたことになり、ストーカー事件への配慮が足りなかったおそれが強い。 三好さんは小堤容疑者に転居先が分からないように暮らしていた。脅迫罪で執行猶予付き有罪判決を受けた小堤容疑者は釈放後の昨年十月、読み上げの情報をもとにインターネットの掲示板で三好さん方を探した疑いがある。ネットの掲示板に三好さんの住所の一部や夫の実名を挙げ、「昔、お世話になった方を捜しています。逗子市に住んでいるらしいのですが、詳しい住所が分かりません」などとする複数の書き込みが確認されている。 三好さんは署に「私の以前の勤務先に男が電話をかけ、結婚相手について尋ねている」「男がネットで私の住所を調べている」などと相談していた。 署によると、三好さんの夫は「男に名字の『三好』が知られていると聞いた。捜査の過程で教える可能性があるなら、事前に知らせてほしかった」と話していた。山口雅見副署長は「旧姓を知らせるなど、取り得る手段があったかもしれない」としている。 三好さんは六日午後、自宅で遺体で見つかり、小堤容疑者が首をつって死亡。県警は三好さんを殺害後、自殺したとみて容疑者死亡のまま殺人容疑で書類送検する方針。 ◆被害者 警察への不満訴え 三好さんは今年春、執行猶予中の小堤容疑者から「慰謝料を払ってください」などと記したメールを千通以上受け取った際、都内の女性カウンセラーに相談していた。カウンセラーによると、三好さんは「署がストーカー規制法では取り締まれないと言っている。全然相手にしてくれない」と落胆した様子で話していた。 三好さんは四月にも「やっぱり不安だ」と相談。カウンセラーが「とにかく警察に連絡を。一度逮捕されているので動いてくれるはず。警察は『お礼参り』を許さない」と助言すると、三好さんは「そうですよね」と、元気を取り戻したように応えたという。 <ストーカー規制法> 恋愛感情やそれが満たされなかった恨みから、つきまといや嫌がらせなどを繰り返すことに、罰則や防止策を定めた法律。2000年11月施行。やめさせたい場合、被害者は警察に申し出て「警告」を出してもらう。被害者の告訴で刑事事件になると、罰則は6月以下の懲役または50万円以下の罰金。相手に拒まれたのに連続して電話やファクスをすることを禁じているが、メールについての明文規定はない。 (東京新聞) PR情報
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