窓から差し込む仄青い月光が、ベッドの上に複雑な陰影を作り出している。 繁華街の無いセルムブルグ市ゆえに深夜ともなると人通りもぱったり途絶え、聴こえるのはかすかに届く湖のさざめきくらいで、ともすると早鐘のような俺の鼓動が部屋中に響いているような気すらしてくる。 着衣をすべて解除した俺とアスナがベッドの上で正座して向かい合った状況が、すでに約2分半継続していた。両手を膝の上でぎゅっと握り締め、俯いたままのアスナの表情を読み取ることはできない。俺からなにかアクションを起こすべき状況なのだろうが、悲しいかなすべ... > このページを見る
最終更新時間:
2012年09月09日09時53分